マスターの秘密。 ページ10
「・・・はあ。」
私の考えが甘かった。
もっとすんなり行くと思ってたのに。
あずさちゃんは、結構筋が良い。
でもほかの二人は・・・。
ひよりちゃんはたどたどしいし、
かなえちゃんはバイト癖が抜けない。
直そうとすると、幽霊になっちゃうし。←
そのうち皿とか数えだしそう。
「いちまー・・・い、にまー・・・い、さんまー・・・い」
って。
「・・・っ、こわ。」
想像しただけで寒気がする。
そんなことになったら客が寄り付かないよ。
「どうですか、お店の方は」
「マスター・・・！聞いてくださいよお・・・」
思えばこの店に来るのも久しぶりだ。
仕事が早く終わる日もあったけど、
・・・藤崎君に会いたくないから、全然来てなかった。
「Aさんも苦労されてますね」
「・・・もう、くじけそうです」
デザート・ヒーラーの甘くてヒリヒリした味が、
仕事の大変さを物語っている。
・・・でも美味しい。
「そう言えばこのお店って、誰か雇ったりしないんですか？」
「・・・そう、ですね。当分は、私だけでやっていけると思います」
小さな店ですし、と言ってグラスを拭く。
その顔が、なんだか切なげな気がするのは私だけだろうか。
「・・・何かあったんですか」
「え？」
手を止めて、驚いたように顔をあげる。
・・・もしや図星？
「Aさん、・・・さすがですね」
「え、」
「藤崎さんの言ってた通りの人だ」
「・・・・・・」
藤崎君・・・なんて言ったんだ私のこと!?
デリカシーのないババア、とか？
ゆ、ゆるせん・・・←
「実はこの店、妻と始めた店なんです」
「奥様、ですか・・・」
話の全貌は大体見えたが、←
マスターの話を聞くことにした。
「妻は、私に負けない酒好きでして。
毎晩のように、私とバー通いしてました」
・・・ん、その奥さん私と気が合いそうだな！←
「ついにはシェイカーまで買って、自分たちで作るようになったんです」
・・・すご。
「だったらもう、本業にすればいいじゃないかと」
で、この店を建てたんだ。
「妻は、この店のお客様とお話しするのが大好きでした。
毎日、楽しそうに笑って。輝いていました」
マスターの顔が嬉しそうにほころぶ。
「店を大きくする必要はない。
お客様にとってくつろげる場所を提供できれば、それでいい」
――――妻の遺言です」
「・・・・・・」
・・・奥さん、やっぱりもういないんだ。
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＊わかな＊(プロフ) - わーー!!夢主ちゃん落ち着いて!!女将失格何かじゃないよー!!藤崎くーん!!慰めてあげてーー!! (2016年5月22日 23時) (
レス) id: a2320262ee (このIDを非表示/違反報告)
Julia(プロフ) - いちごさん» すみません・・・( ﾉД`)駄作者登場しました←もう当分出てきません笑 (2016年5月6日 23時) (レス) id: e3e9f9f794 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - まさかの作者登場… (2016年5月6日 23時) (レス) id: 3461d67323 (このIDを非表示/違反報告)
Julia(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです！これからも頑張ります！ (2016年5月1日 17時) (レス) id: e3e9f9f794 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 続編も面白いです！ (2016年5月1日 8時) (レス) id: 3461d67323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Julia | 作成日時：2016年4月13日 20時
