野村様。 ページ33
「・・・けっこん、か」
そういうのも良いかもしれない。
お店もだいぶ繁盛してきたし、ババア共も前よりも大人しくなった。
・・・そろそろ、潮時か?
そんな考えが頭をよぎって、慌てて打ち消す。
私は女将なんだから。
私がしっかりしないと。
・
「・・・あの、すみませーん」
「・・・・・・。」
「・・・・・・Aさん!」
「え、私!?」
珍しく、あずさちゃんが声をかけて来た。
すっかり嫌われちゃって、全然喋りかけに来ないのに。
「5番テーブルさん、なんか険悪なカンジなんですけど」
「え?」
5番テーブルといえば、野村様が座っている席だったはず。
「男の方はなんも喋らないし、カノジョさんも不機嫌で」
「どうしたんだろ・・・」
入店時は、そんな風には見えなかったけど。
「何とかしてくださーい、女将」
こういうときだけ女将っていうの、絶対おかしいでしょ!
「・・・分かった」
・
裏方からホールに戻ると、5番テーブルの方へさりげなく目を移す。
・・・確かに、あずさちゃんの言ってた通りだ。
男性の方は、スマホの画面ばかりを見つめて彼女には目もくれない。
一方彼女は、下を向いて黙ったままだ。
・・・おかしいな、さっきはあんなんじゃなかったのに。
野村様は、開店して間もない時からのお客様。
初めてのご来店からずっと、彼女さんと来てくださっている。
いつも仲良さそうで、私達スタッフにも親し気で。
本当に幸せそうだった。
なのに、どうしたことだろう。
2人の間には、いつもと違う重苦しい空気が漂っている。
そう言えば、野村様の服装もいつもと違う。
いつもはポロシャツみたいなラフな服装なのに、
今日は一段とスマートな、グレーのスーツを着ている。
仕事帰りだろうか。
・・・とりあえず、様子を見てみよう。
・
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革ベルト
ラッキーカクテル
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*わかな*(プロフ) - わーー!!夢主ちゃん落ち着いて!!女将失格何かじゃないよー!!藤崎くーん!!慰めてあげてーー!! (2016年5月22日 23時) (レス) id: a2320262ee (このIDを非表示/違反報告)
Julia(プロフ) - いちごさん» すみません・・・( ノД`)駄作者登場しました←もう当分出てきません笑 (2016年5月6日 23時) (レス) id: e3e9f9f794 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - まさかの作者登場… (2016年5月6日 23時) (レス) id: 3461d67323 (このIDを非表示/違反報告)
Julia(プロフ) - いちごさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも頑張ります! (2016年5月1日 17時) (レス) id: e3e9f9f794 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 続編も面白いです! (2016年5月1日 8時) (レス) id: 3461d67323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Julia | 作成日時:2016年4月13日 20時