恋占い、一回1000円。

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「久しぶり」


春樹が、一カ月ぶりに家に来た。



「・・・焼けたね」


久々の再会で、まず最初に思ったのはこれ。

だって西城〇樹みたいなんだもん。←



「あーうん。海行ってきた」


・・・誰と？とはあえて聞かないことにした。

きっと家族と行ったに違いない。



「なんか飲む？」


「あー、これなんかどう？」


そう言って掲げたのは、白ワインと思しきボトル。



「ん、いいね。

じゃあグラス持ってくる」


ホントは白より赤が好きなんだけど。

まあ、せっかく持ってきてくれたものに

ケチつけるのはどうかと思うし。



「・・・なんかA、雰囲気変わった？」


「え？」


雰囲気変わったのは、

春樹の方だと思うけど。



「・・・なんか、若々しくなった」


「なにそれ」


ちょっと失礼じゃないか。



「いや、まだ十分若いけどね？

なんか、二十代前半の潤いを感じる」


「なにちょっと、バカにしてるの？」


なによ、

まるで三十路は枯れてるみたいな言い方して。



「してないよ、ってか誉め言葉だろ？」


「・・・・・・。」


・・・なんで私、

こんなに春樹にモヤモヤしてるんだろ。



「Aどうした？」


「・・・別に、なんでもない。

飲もっか、ワイン。」


「お、そーだったそーだった！」



・・・今までは、気にならなかった。


春樹が私のことどう思ってるかとか、

どれくらい知ってるかとか。



なのに、

ワインの趣味を知られてなかったくらいで

若干気分が下がったり、

ちょっと歳のこと言われたからって

イラっと来たり。



「あ、Aクマ太の位置変えた？」


「・・・くまた？」


「ぬいぐるみ、クマの」


「あ、あー・・・」


確かにダイニングカウンターのとこに移動させた。


・・・一ノ瀬君が、

クマ吉〜とか言ってバカみたいに喜ぶから。



「・・・クマ太って


「あー、俺が命名したの」


正直言うと、クマ吉の方が私的には好きなんだけど。



「ごめん、もしかしてもう名前決まってた？」


「・・・ううん、決まってないよ」


「そっか、じゃあクマ太でもいい？」


「うん」


・・・男子って、意外と名前つけたりするのかな。

全然そんなイメージないけど。


名前のチョイスで、

なんとなくその人も個性が出る気がする。



・・・2つも名前付いちゃったね。


どこを見つめるわけでもないクマに

心の中で声をかけて、

白ワインをあおった。




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