恋占い、一回1000円。

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「楽しんでる？」


同窓会のあの日。


私のグラスが空いたのを見計らったみたいに

春樹は新しいシャンパンを持って隣にやってきた。



「なんか皆あんまり変わってないなーってカンジ」


「あー、確かに。

でもまあ5年くらいしか経ってないしなー」


「うん。」


進んだ道はそれぞれ違っても

再会すれば皆あの頃の自分に戻っている気がする。



「でも田中とか見ろよ」


「え？」


野球一筋だった田中君。



「頭はもう老化してんじゃん」


「・・・うわ、」


確かに、

高校の時に比べて多少薄くなった気が。


野球帽の被りすぎ・・・いや、そんなことじゃないか。



「ってか老化とかそーゆーこと言っちゃダメでしょ！」


「自分だって、"うわ"って言ってたじゃん」


「・・・。」


確かに、早くない!?とは思ったけど。


田中君、ゴメンナサイ・・・。



「ねえ、Aこの後暇？」


「・・・暇、だけど」


「隣のホテルのラウンジ行かない？」


「え、」


それは、・・・つまり？



「いーじゃん、二人で積もる話でもしよーよ」


"二人で"と言われてますます良からぬ想像をしてしまう。



「・・・だって春樹、」


＿＿＿奥さんと子供さんいるんでしょ？


言おうと思ってた言葉は、口から出なかった。

たぶん、出したくなかったんだと思う。



「既婚者だからって、

同級生と飲んじゃいけないなんてことないでしょ？」


そう言って悪戯っ子みたいな笑いを見せた彼を見たとき、

私は確信した。



＿＿＿＿＿あーあ、私。


・・・またこの人に恋しちゃった。





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