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「それが俺も不思議なんだよねー」
「は?」
「いつもはさー、お客さん以外に干渉とかしないんだけど。
なんかAさんのことは気になるってゆーか。」
「・・・・・・。」
子供みたいに質問攻めしてきた理由が気になるから、なんて。
「もしかして俺、Aさんのこと好きなのかも」
「はあ!?」
自分が上げた素っ頓狂な声が
すっかり静かになってしまった街に響いて
猛烈に恥ずかしくなる。
「苦しい恋してるくらいなら、俺と一緒に居た方が良いのにって」
「・・・・・・。」
いつもはヘラヘラしてるくせに、
こういう時だけ真顔で言わないでほしい。
「Aさ、「あーもう、」」
「年上をからかうのもいい加減にしなさいよ?」
少し声を張って、強引に遮る。
この男が何を言おうとしたのかは分からないけど、
どうせまた、私の心に波風を立てるに決まってる。
「・・・そんなに私の家に来たいなら良いわよ、
でも美味しいものとか何一つないから期待しないで」
「え、いいの?」
驚いた顔をしてこちらを見る。
当然だ、さっきまであんなに拒否してたのに。
「・・・別に来たくないならいいけど」
今まで、"苦しい恋"なんて思ったことなかった。
思わないようにしていた。
心に嘘をついていた方が、ずっと楽だったから。
春樹のことを、好きでいられたから。
でもいったん自覚してしまったら、
もう元のように自然には振る舞えない。
春樹に捨てられるのは時間の問題。
「行く!!」
だったら少しくらい、
この男に甘えてみたっていいんじゃないか。
・・・そんなサイテーなことを思いついたのだ。
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Julia(プロフ) - イチゴさん» レス遅くなってごめんなさい!とっても嬉しいお言葉、本当に感激しています><これからもどうぞよろしくお願いいたします・・・! (2018年1月7日 0時) (レス) id: 5d9e2ea9d3 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - なんか言葉だけじゃ表せないぐらい面白かったです!なんか意味不明ですかね?(-ω-;) あと焦らずゆっくり更新頑張ってください!(*´▽`*) (2018年1月3日 2時) (レス) id: 5cdffbbcc0 (このIDを非表示/違反報告)
Julia(プロフ) - 翡翠葛@優杏さん» コメントありがとうございます!一ノ瀬君の可愛さがより伝わるよう、これからも頑張ります!!これからもどうぞよろしくお願いします<(_ _)> (2018年1月2日 15時) (レス) id: 32a8b9c6f7 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠葛@優杏(プロフ) - 一ノ瀬くん可愛すぎやしませんか…?一ノ瀬くん可愛いし文の書き方好きだし…むっちゃおもしろいです! (2018年1月1日 23時) (レス) id: 3eab18cbf5 (このIDを非表示/違反報告)
Julia(プロフ) - リンクさん» レス遅くなってしまってゴメンナサイ!とっても嬉しいです、ありがとうございます(/ω\)更新頑張りますのでどうぞこれからもよろしくお願いします! (2017年11月22日 1時) (レス) id: 5d9e2ea9d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Julia | 作成日時:2017年4月22日 12時