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長かった列は
占い師の失踪により短くなっていたものの、
占い師の帰りを根拠もなく信じていた客が
それでも10人くらいいた。
「_____どうしたらいいと思いますか!?」
セーラー服のザ・JKは
長い列の最後尾だった。
食い入るように自分を見つめる女の子に、
自称イケメンフリーター占い師はこう言い放つ。
「んー、コクっちゃえば?」
「っ、」
女の子は目を見開く。
彼女はモテモテの先輩に、
2年間片想いをしているそうなのだ。
「う、うまく行きますかね!?」
それなのに占い師は
2年間温めてきた想いを
かるーい調子で吐き出しちまえと言うのだ。
なんの根拠もなく。
占いでも何でもない。
「その方がいい結果になると思うよ」
「わ、分かりました!
明日コクります・・・っ、」
え、明日!?
そんな即決して大丈夫なんだろうか。
こんなインチキ臭い占い師を信じるなんて、
この街の人はどうかしてる。
「さーておねーさん、約束を果たしてもらおーか」
テキトーなこと言って女の子を帰らせたかと思えば、
なに急にどっかの闇金みたいなこと言ってんのよ。
"期限過ぎたんだからさー、約束果たしてもらうよ?"
みたいな。
「あー、なんか私具合悪いから今日は寝ようかなー
家に来るのはまた今度にしてくれない?」
なんとなくツラそうに、
眉間にしわを寄せて見せる。
「やだ」
や、やだって・・・?
「・・・ほら、移したら悪いし」
「やだ、絶対行く」
拗ねたように少し頬を膨らます。
「子供かお前は」
「Aさんは大人なんでしょ」
「そーだよ」
「だったら妥協にだって慣れてる」
「は、」
「いーじゃん、別に何しようってわけでもないんだし」
「そーゆー問題じゃないの」
若い男に自分の家を見せるなんて
なんか恥ずかしいし。
・・・春樹に悪い気がして。
「気にしないでしょ、」
「え?」
「だってそもそも妻子持ちでしょ?
Aさんが他の男と仲良くしたって、なんも言えないじゃん」
「・・・・・・。」
そうかもしれないけど。
「・・・っていうかなんで、」
「だって俺占い師だよ?
人の考えてることなんてお見通しに決まってんじゃん」
「・・・・・・。」
なにが占い師だ。
「・・・さっきだって、
テキトーなことばっか言ってたくせに」
・・・私は絶対認めない。
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Julia(プロフ) - イチゴさん» レス遅くなってごめんなさい!とっても嬉しいお言葉、本当に感激しています><これからもどうぞよろしくお願いいたします・・・! (2018年1月7日 0時) (レス) id: 5d9e2ea9d3 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - なんか言葉だけじゃ表せないぐらい面白かったです!なんか意味不明ですかね?(-ω-;) あと焦らずゆっくり更新頑張ってください!(*´▽`*) (2018年1月3日 2時) (レス) id: 5cdffbbcc0 (このIDを非表示/違反報告)
Julia(プロフ) - 翡翠葛@優杏さん» コメントありがとうございます!一ノ瀬君の可愛さがより伝わるよう、これからも頑張ります!!これからもどうぞよろしくお願いします<(_ _)> (2018年1月2日 15時) (レス) id: 32a8b9c6f7 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠葛@優杏(プロフ) - 一ノ瀬くん可愛すぎやしませんか…?一ノ瀬くん可愛いし文の書き方好きだし…むっちゃおもしろいです! (2018年1月1日 23時) (レス) id: 3eab18cbf5 (このIDを非表示/違反報告)
Julia(プロフ) - リンクさん» レス遅くなってしまってゴメンナサイ!とっても嬉しいです、ありがとうございます(/ω\)更新頑張りますのでどうぞこれからもよろしくお願いします! (2017年11月22日 1時) (レス) id: 5d9e2ea9d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Julia | 作成日時:2017年4月22日 12時