ep4 ページ4
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「りょうすけ、ほんといい加減にして」
「なに怒ってんの、」
トゲのない喋り方と、普段見ることのないニヤケ倒した顔は、小さい頃から何も変わらない。
俺は毎回やれやれと、心の中で笑いながら微笑ましくその情景を見守るのだ。
やまちゃんは知念が好きだ。
十年以上、変わることなく、ブレることなく、他の可愛い女の子に靡くことはなく。
知念に比べればブスだ、と言い続けた。
「ぼく、教室に帰ったら、みんなに色々聞かれるんだから」
「何を聞かれるの?」
「あー、もう、涼介ってバカで疲れる」
ぺち、と頬を叩かれてまたふふっと声が漏れてしまっている。
山ちゃんは知念が好きで、かわいくてしかたないから、毎日彼のことを心配をしている。
だからこうやって、敵多き彼のクラスメイトの前で親密なところをアピールしているのだ。
「僕はこうやって静かに生きてるんだから、邪魔しないでよ」
「.....そんなこと言わなくても、」
本当に落ち込んだ山ちゃんは、情けない顔で知念を見つめる。
「なにか、奢ってくれたら許してもいいけど」
「えっ、ほんとに?なんでも買ってあげる!」
そうやっていつも甘やかすから、知念はいつまでもやまちゃんをもてあそぶのだ。
「あ、あとこれ、あげる」
後ろ手に持っていた小さな箱を知念に手渡した。
それはもう、先月から悩みに悩み、何度も試作を俺に食べさせてくれたそれ。
どの子が作るよりも高い完成度の、彼の十年に渡る若干重いほどの気持ちが篭った美しい見た目のチョコレート。
「.....ちょこ?ありがとう」
幼稚園のころから欠かさず毎年貰ってるそれを手にして、にっこり笑った知念の「アリガトウ」という言葉に、
学年の王子はいとも簡単にくらっときてしまっていた。
「あ、うん。そんなに美味しくないかもだけど。じゃあ、」
突然早口になった山ちゃんは、赤くなった顔を隠すように、その場を早足で立ち去った。
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彗桃(プロフ) - 男に絡まれる知念ちゃん、不憫ですが可愛くて涙出てきました(;;)なん様の書くやまちねだいすきです! (2018年1月22日 2時) (レス) id: 89eb2c9c11 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - 初めまして!なん様の書くちねんちゃんが可愛すぎて、何度も何度も読み返しております、うふふ。これからも妖精ちねんちゃんと溺愛やまだくんを楽しみにしております! (2017年7月16日 20時) (レス) id: d1428fae49 (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - ぷよぷよさん» コメントありがとうございます(^^) 宝物って表現かわいいですね、、かわいいやまちね書けるようにがんばります! (2017年7月16日 19時) (レス) id: 8f0c21e9ab (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - ぁぃさん» リアル知念くんの話し方が妖精なんでしかたないですね....コメントありがとうございます! (2017年7月16日 19時) (レス) id: 8f0c21e9ab (このIDを非表示/違反報告)
なん(プロフ) - ゆーきさん» いえこちらこそいつも読んでくださりありがとうございます( ; ; ) (2017年7月16日 19時) (レス) id: 8f0c21e9ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なん | 作成日時:2017年1月11日 0時