【ONE PIECE】チート少女は守りたい (ページ2)

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私は一人？ページ2

母さんは、父さんが出ていってからもしばらくは肩を揺らしてうずくまっていた

ﾊﾞｻｯ

いきなり顔をあげた母さんに驚き体を震わせた

長い髪が顔に張り付いたまま、這いずるようにこちらに向かってくる母さんは何だかホラー映画のワンシーンを思わせた

母さんは、笑っていた

「ねぇ、A？ママね、やっと分かったの...。これで、お金を貰えば、あの人も...パパも、きっと元に戻ってくれるわぁ。」

嬉しそうに、綺麗に笑う母さんの目の焦点はすでにあっていなかった

私の肩を掴みながらこちらを見つめる母さんがあまりに綺麗に笑うものだから、

私は気付かなかった。

『え"？』

お腹の方に何かが突き抜ける感覚

それと同時にマグマが這うかのような痛みが体の中を駆け巡る

『ぅあ" あっぐぅあああああ"』

痛みに悶え、床を転がれば腹に突き刺さった花瓶の破片が目に入った

スゥーと頭が冷えていく

そういえば父さんが花瓶を床に落としてたっけなんて。体の熱と裏腹に頭はドンドン冴えていく

「そうよねぇ！保険金があったわ！何で気づかなかったのかしら...これで、救われるのよ！三度も腹を痛めて生んだのに、誰も役にはたたなかった。せめて最後くらい、私を救ってよおおお！もう、つかれたのぉお！！」

発狂しながら何度も何度も、私の体のいたるところに破片を突き刺しては抜いていく

飛び散る朱を見つめながら、これが最期なのだと感じた

霧がかかったような感覚に陥り、死が近づいてくるのが分かる

意識が途切れる前、頭によぎったのはひとつの疑問
「腹を三度も痛めた」？「やっと録な子供を生んだ」？

私は一人？