story25 ページ26
・
((Yuri side))
ツアーも終わり、数ヶ月が過ぎた4月。
そろそろ僕のことを思い出さないかなぁなんて思ってるけど、やっぱり魔法ってのは強力なのかな....
全く思い出してもらえない。
呼び方は“侑李”になっていたから、少しは記憶が戻ってる....？それか無意識なのかな。
今日は涼介の家に遊びに行く。
まぁAに会うっていう目的もあるんだけどね。
涼介｢またまた突然の訪問だねぇ｣
侑李｢おじゃましまーす｣
A｢いらっしゃーい｣
侑李｢お、A、久しぶり｣
さり気なくAって呼んでみても気付かないか....
A｢久しぶり｣
そういえば、ツアーの後からはメンバー全員とタメ語で話すようになったA。
侑李｢涼介、お腹空いた｣
涼介｢何しに来たんだよ....｣
侑李｢だってお腹空いたんだもん。いいでしょ。｣
A｢あ、じゃあ餃子作ろうか？｣
侑李｢いいね！僕も手伝う｣
涼介｢心配だから俺も手伝う｣
＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿
｢｢｢かんせ〜い！｣｣｣
3人で作った餃子はホントに美味しかった。
でも、餃子を作りながら、Aと2人でキッチンに立ったあの日を思い出してしまう僕はなんなんだろう。
お腹いっぱい食べた後、食器洗いを涼介に任せて、Aと話してみる。
侑李｢ねぇ、これ見て！｣
A｢うわぁ！綺麗な海だね｣
侑李｢でしょ！一昨年の夏に行ったんだ〜｣
Aと2人でね。
侑李｢あとね、これ、美味しそうでしょ！｣
A｢美味しそう！私、パンケーキ大好きなんだよね｣
知ってるよ。だからいっぱい練習したもん。
美味しいパンケーキを食べさせてあげたくて。
侑李｢ふふ、今度皆で食べに行きたいね！｣
A｢うん！楽しみだなぁ｣
Aとの思い出の写真を何枚見せても思い出す気配なんてない。
涼介｢ふぅ、疲れた〜｣
A｢あ、お疲れ様！ありがとう。｣
侑李｢ゲームしよ！｣
涼介｢じゃあ3人でマリカーやろうよ｣
A｢マリカー？｣
侑李｢これこれ！まぁやってみればわかるよ！｣
やり方なんて説明しなくても上手にコントローラーを操作するA。
僕とたくさんゲームしたから身体がやり方を覚えてたのかな？なんて。
涼介に教わったんだよね、きっと。
あの時覚悟を決めたはずなのになんで今更女々しくなってんだろうね。
まぁ僕の過去の話はAが僕のことを思い出した時にでもしようかな。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽぽ | 作成日時：2018年5月19日 18時
