天才チート達と愉快な仲間たち3 【HQ】

五色「和解しましょう」 ページ31

*


そこに居たのは希愛。頭には包帯を巻いて、車椅子に乗って、こちらを見ていた。


神崎「…もういいよ水愛…それ以上Aの事は巻き込まないで」

園田「偽善者ぶるつもり？！またあんたは私の事」

神崎「…うん、ごめん。水愛の言った通り。あの事故から…水愛の事、『前とは違う』って腫れ物扱いしてた」

園田「…」

神崎「…だけど…怒れないよ。水愛があたしに怒って欲しかったのかもしれないけど、あたしには怒れない。水愛は、あたしの命を救ってくれたんだもん」

園田「…！」

神崎「だからさ、水愛の言う事聞いてたのはあたしの意思だよ。あたしの事守ってくれた水愛の事、拒みたくなかったから。
私よりバレーが大好きだった水愛が、事故のせいでバレーを失って。私が続けてていい訳無いって。…でもそれが余計に水愛の事傷付けてたんだよね」


ゆっくり水愛に近づく希愛。

涙を零す水愛の頬に手を伸ばした。


神崎「…ごめんね、水愛。それから、守ってくれてありがとう」

園田「…っ！」


希愛の手を振りほどく。


園田「…何で、あんたはそうやって…！」

神崎「いいよ、私の事許してくれなくても。でもあたしは水愛の事嫌いにならないから」

園田「…そういう所だよ」

神崎「水愛？」

園田「…ずっと、そういう所が羨ましかった。誰も見捨てない、誰にでも優しくて裏表無くて、誰からも好かれて。憎くて、でもそういう希愛が、大好きだった」

神崎「水愛…」

園田「…ごめん。酷い事いっぱいして。…痛かったでしょ？」

神崎「水愛の事故に比べたら大した事無いって」

園田「Aちゃんも…こっちの事情に巻き込んでごめん」

A「別に私は大丈夫だよ」

園田「それから…影山くんも」

影山「え？俺？」


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