秘密事とその真意 ページ32
あ〜あ···伊作にバレちまったな···
明日から俺は女扱いされるのか?
嫌だ···
女のように見られるってことは弱く見られるって事だ!
星海「チッ···!!」
「星海さん···」
襖越しに聞こえるこの声···
星海「その声···伊作か?
何の用だ?」
伊作「ぼ、僕···言わないよ···///
誰にも言わない///
だから···
安心して···」
星海「···それだけの事で部屋に来たのか?」
伊作「う、うん···
だって···君の目が忘れられなかったんだ···
弱い自分を嫌ってるって···そう言ってる目だったから···」
星海「···なんで俺が女である事を嫌ってるか知ってるか?」
伊作「···?」
星海「俺がここに来る前···
親父とお袋を目の前で失ったんだよ」
あの光景は今も頭に残る
星海「俺はそん時はまだ餓鬼でな···
何も知らねぇ無垢な存在だったんだよ
それを一変にして帰られたのが···戦いだった···
目の前で親父とお袋を殺され非力な俺は怖くって頭が真っ白になってな
ただ···あの時は本当に無我夢中だったんだよ
近くのナイフを拾って···兵士を殺したんだ」
伊作「···!?」
星海「その後に俺を雇うことになった軍曹が来てな
俺を保護して女である事を捨てるきっかけになったんだよ
女であれば馬鹿にされ惨めな目で見てくるからだ
だから···俺は女を捨て男として育ったんだよ」
伊作「···」
星海「それが···俺の今の現状さ
そろそろ寝な」
伊作「···ねぇ!」
星海「···?」
伊作「と、隣···寝ていいかな···?」
星海「···同情のつもりか?」
伊作「同情だと思われてもいいんだ!
ただ···傍に居させてよ···
それくらいは···!!」
星海「···入れ」
伊作「うん···」
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