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一枚は周囲からの目隠しに。いくら海水で洗い流そうと、針を取り除こうと。水着にも針が付着していたら意味が無い。
更に、真琴はバストを大量のパッドとガムテープで締め付けていた。血流とか良くないだろう。野外だが緊急事態だ。トップを取り払って解放的な状態に。
それからは私が言った通りに応急処置が進む。針を取り除いたら二枚目のタオルを体に巻いた。冷やしていると言えど痒そう……。ツバサさんは女性のお医者さんを連れてやってきたため、そのまま診察へ。
「ゆきりんさん、まゆゆさん。さっきはありがとうございます。私、真琴のことばかりでスタッフさんにまで注意が及ばなくて……」
こう言うと、二人は顔を合わせてから
「Aがそう思う必要ない」
「そうよ。わたしたちに出来ることをやったまで。Aの手際は完璧だったと思います。どこかで経験があるの？」
さっき、こじはるさんにも詳しいって言われたっけ。あのときは色んなことを考えていたから「まあ」なんて、ぶっきらぼうな返してしまった。ちょっと反省。
それで、処置についてだけど。
「私の出身は水が多いところで、湖もあります。そこには毒を持たないクラゲが生息していました。……しかし、ある年。持ち出されてきた外来種に多くの人が刺されて健康被害を訴えたんです」
「まあ……。して、そのクラゲの捕獲などは……」
「残念ながら至らず。それに、一匹だけとも限りませんでしたので。今では数も増え、どこでクラゲに刺されたって結構ニュースになります」
「だから、応急処置も知っていた？」
うちの星は観光地でもある。映えるスポットなども多いから、外の人たちにはウケがいい。毒を持ったクラゲがいるとわかった後は、すぐ対処できるようにと学校で習うんだよね。
手順を絵で示した下敷きとか、小学生のとき支給されたし。多分親や祖父母世代も当たり前に知ってんじゃないかなぁ。
診察が終わったらしい真琴。やはり刺されている、と会話が聞こえた。ツバサさんからは引き続き休んでいなさいとのこと。
傍には鈴子が付いている。痒み止めに効果があるステロイド配合のぬりぐすりを塗ろうとする手は、いやらしい動きだ。真琴は「その手つき、やめい！」と足をバタバタしていた。
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■とまあ刺されたときの処置を書きました、が
作者は山側の人間なので、クラゲは水族館でしか見たことはありません。もし間違いがあれば星歴のフィクションということで……。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年10月21日 14時
