181# ライバル宣言 ページ31
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夢、夢かあ。
優子さんに言われて一夜。寝る前も起きてもずうっと考えているけどなんにも出てこない。正直そんなにすぐ見つかるわけ無いよね……。帰ってから何度目か分からないため息が出た。
とりあえず日課のランニングの準備しなきゃ。洗顔して着替えて、いつもならこのまま外へ行くのだが。今日はその前にもう一つ。とある人たちの部屋の前でノック。数秒でドアが開いた。どうやら相手も準備万端らしい。
「Aおはよう。ていうか、本当にいつもこの時間に起きてるの？ 聞いてはいたけど早いよ〜」
「おはようございます、彼方さん」
美森さんはまだ夢の中。そっ…とドアを閉めて、小声で話しながら階段を下りる。シューズに履き替えて外へ。
昨日の入浴後、彼方さんはツバサさんに呼ばれた。内容は「今後の劇場公演で、怪我が治るまでたかみなのアンダーとして出なさい」とのこと。ちなみにこれはたかみなさんの合意を得ての話らしい。彼方さんは断る理由はないと承諾した。
ランニングに誘ったのは私。正直体力作りなんて今更かもしれない。けれど、私だってステージに立ちたいって思ってしまったんだ。
私の行いは優子さんには矛盾しているように見えるかもしれないけれど、それが努力をやめる理由にはならない。00は私にとっても憧れの場所だから。
「………あれっ？」
「おっ、とぉ……」
才加さんと佐江さんがいる、いつもの待ち合わせ場所が見えたと思ったらびっくり。意外な三人目がいる。なんかデジャブだ。でも、これは前回を遥かに超えるサプライズ。
彼女は彼方さんに挨拶をすると、キッと私には睨んだ。足は肩幅に開き、両手は腰。だいぶご立腹な様子である。
「先輩を待たせるってどういうこと？ キミ、まさかいつも才加さんと陽子の後に来てるんじゃないよね？」
「えっと………ていうか、なんで恵さんがいるんですか？」
恵さんじゃなければ「お二人が早いだけ」と言うのに、よりにもよって恵さん……。佐江さんを少しでも悪いように言えば更に反感を買ってしまうだろう。
質問に質問で返すのもどうかと思ったけど、彼方さんにも才加さんと佐江さんの二人としか伝えていなかった。だから目の前の疑問について聞いてみる。きっと知りたいはずだ。多分そう。
私服ではなく、動きやすさ重視の軽装。恵さんは少し俯いて、また私の目をじとりと見つめる。せっかくの可愛い顔なのに。そんな仏頂面似合わないよ？？
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年10月21日 14時
