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それより、貴方も早く行ってください。佐江さんがこっち見てます。待っててくれていますよ。そう言うと、才加さんは「おっと、」と踵を返して行ってしまう。
はあ、まったくあの人は。気づかなくていいことなのに気づいてしまうんだから。朝とか、アンダーの練習とか。研究生にしては長い時間を共に過ごしてしまったせいかもしれない。顔色をよく見てるんだよね……。
「……よし、」
最高のライブも幕引きだ。
自分が言ったんだからね。最後までやりきろう。彼方さんが抜けた穴なんて感じさせないくらいに。
▼TAKAMINA
彼方は、操縦席で充分に脚を開いて、ウチも乗り込めるようにスペースを作ってくれた。
運転するから目は合わない。でも彼方から出てくる言葉は悲しいとか、ステージに立ちたかったとかじゃなくて。
「すごいです！ 本っ当に素晴らしいステージでした」
「……っ、彼方」
「わたしに、たかみなさんの衣装を着る資格なんてまだ無いんです。けど……頑張ります！ いつか、たかみなさんに追いつけるように」
目尻には涙。でも顔はとても晴れやかで。表情から、感動したというのが伝わってくる。ウチの……負けたくない・取られたくないとは対極の、透明で濁りのない綺麗な川のような。
簡単に追いつかれちゃ堪らない。今、このときもオリジナルの名前を背負う者として、精一杯の虚勢をはる。彼方はそうですねという代わりに少し笑っていた。
悔しかったはず。なのに……どんなに傷ついても、00の……ステージのことを一番に考えている。それでも認めたくない、渡したくない。どこかで思うも、感情とは裏腹に込み上げた涙を我慢したくて唇を噛む。
やっぱり、高橋みなみは。たかみなの、名は……
「……くぅ、」
唇を噛んで、ぼそりと。
彼方にこそ……ふさわしいと思う。
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ほぼひと月半ぶりです。年明けちゃいましたね。
皆さん、あけましておめでとうございます。
更新が途絶えたあたりは……アレですよ、世界中が待ち望んだと言っても過言じゃない作品の新作ゲームが出ましたね。私もその民なので夢中になったといいますか……。
でも停止の選択はなくて。最終的にはAさんを襲名させたいとも、ぼんやり考えています。……となると、選挙やあの子の襲名とかがある2期も書くべき？ どうする？ って感じです。
まあとにかく、1期の完走まであと少し。
今年も頑張りますのでよろしくお願いいたします。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年10月21日 14時
