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Aは戦闘班へ。彼方さんも、さっきまでは美森さんに髪を梳いてもらっていたけれど、佐江さんに「フォーメーションチェック始まりますよ！」と呼ばれて行ってしまった。
現在、鏡の前でメイクをしているのは真琴と友歌、楚方、恵さん。数に限りがあるからと凪沙は空いているスペースで織音にしてもらっている。美森さんと私と鈴子は順番待ちだ。
ストレッチをしていたら美森さんが恵さんに近寄るのが見えた。鏡に映る彼女はシュンとしている。ため息も。
「メグにはこちらの
「美森さん……」
「わたくしたちにとって、秋葉星以外では初めてのライブですもの。気合い入れて行きましょう？」
「ヨーコと一緒のステージじゃないなら……ボク、どうだっていいんです」
美森さんと恵さんの会話が聞こえてきて、また考えてしまう。
初めての遠征ライブ、77期みんなで歌えるはずだったのに。研究生が遠征で歌うなんて今までなかった。それに、二度目のアンダーとしてのライブになると思ったのに。Aはどうしてここにいないんだろう。
恵さんはゆっくりと本当の思いを話し始める。彼女は、佐江さんと一緒に襲名したかったんだ。ずっと一緒だった。それなのに佐江さんはメインで恵さんはアンダー、今はこんなにも遠い。佐江さんの隣で歌いたかった。
……何故だろう。恵さんの話は他人事じゃないように聞こえる。みんなで00になる、私には凪沙たちとの夢がある。こうやって今は同じところにいるけれど、それが叶わない場合もあるかもしれない。
恵さんはその体現者。そんな彼女の肩に手を置いて、美森さんは寄り添うように頬を近づけた。
「隣にいるのと、ちっとも変わらないですわよ」
「えっ」
「わたくしたちが頑張ることで、襲名メンバーのライブを光り輝かせることができる。そして……智恵理も」
「！」
「さっきから難しい顔して。自ら戦闘にまわったAのことでしょう？」
美森さんには分かっていたみたい。本当に、メンバーをよく見ている。今回彼方さんはいないけれど頼れるリーダーとしてはなんの不足もない。
私、そして恵さん。私たちの顔を今一度見て美森さんは続ける。
「ライブができるのは危険を覚悟で戦ってくれる人たちがいるから。00の最高のステージは、みんなで作っているんですのよ？ わたくしたちはいつも繋がってる。いつも一緒なんですわ」
「「……！」」
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年10月21日 14時
