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この目に映るは、血色も形も良い念願の巨乳。湯上りだからというのもあるかもしれないが、浴衣の併せからはみ出すソレに全員が思わず色んな声をあげた。
楚「チーチ、カイデェ〜！」
凪「クラゲに刺されたとこ！？」
智「腫れて。おっきく、なってる……！」
楚方はみぃちゃんの口調がすっかり移っている。あまり教育にはよろしくない……。しかし彼方さんも驚いているからさらりと流した様子。鈴子なんかはパッド無しのナチュラルな巨乳に「ナイスバディです」と嬉しそうに微笑んだ。
真琴本人はやはり重いのか、二本の腕で下から乳を支える。めちゃくちゃ痒くて、更には張って痛いと言う。それでも大きくなった、そっちの方が大事らしい。
「今がチャンス！！ きゃ、キャメラマンさぁん！ 今のうちに激写！ してくださいいい！！ キャ〜メラマン、さぁ〜ん！」
「ちょっと、今何時だと思ってんの！」
「やっぱ偽乳じゃんかあー！」
「努力の賜物です」
まるで水を得た魚。彼女にとってはこれ以上ない宝物。手に入れたら、することはひとつとでもいうように。彼女は走って部屋を出ていってしまう。
友歌が正論を吐くも、返答は無い。
ナイスバディに対する熱量、一周まわって尊敬する。あれも、真琴なりにグラビア撮影を真剣に考えていたってことだったのかな。
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夜も遅い。とっくに消灯は過ぎたのに、今日は中々寝付けない。……原因は分かっている。数分考えた末に、思い切って部屋を抜け出した。
やってきたのは海。昼間とは違い、人は私以外いない。それにとても静か。まあそうか、もう夜中だし。こんな時間に出歩く地元民も観光客もさすがにいないか。アイドルの卵はいたけれど。
真夜中に抜け出して、人がいないところへ。前にも同じことをした。あの曲を再生したらたかみなさんが来たんだっけ。
まだ半年も経っていないのに随分昔のことみたい。そう思いながらプレイリストの中、同様の曲を再生する。ねえキララ。あの日……私を地下へ導いたのは、
「自分を変えたい。解放されたい。それだけだった私は今空っぽ。よくわからないまま努力をしているんだ」
私、根っこは何も変わっていない。とにかく知識を詰め込んでいた頃と同じ。目的もなく形だけ頑張ってる風で。青い薔薇が咲くなんて夢か幻。二度目の奇跡なんてそれぐらいの確率だ。
そう思ったとき、私以外が砂浜を踏みしめる音に気づく。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年10月21日 14時
