ラピスラズリ④【0048】 (ページ41)

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▼YUKO

襲名するために頑張るんだ。そう思っていた。これ以上を目指すなんて、研究生であるAには夢のまた夢。分かっているけれど。

大きな夢を掲げるのに、早すぎる……なんてことはないと思う。現にあたしは研究生になったときから13代目あっちゃんを超えたいと切に願っていた。変わらない、今もそう思っている。

「私、みぃちゃん推しなんですよ」

5代目みぃちゃんがステージで輝く姿を見て、00の虜になったと語るA。しかも先代のみぃちゃんだけじゃない。

それより前のみぃちゃんたち、更にはオリジナルの峯岸みなみさん。彼女たちが心の底から大好きで尊敬してる、とまで言い切った。

「へえ。じゃあAは、織音のさしこみたいに……みぃちゃんを襲名したいって思ってるの？」

「うーん……以前、鈴子たちとその話になったんですけど。私は好きな人になりたいわけじゃないんです」

彼女は、これからもずっとファンでいたいらしい。

そのために、自分とイコールになることは望まないとか。

「憧れ、目標、ライバル……はさすがに烏滸がましいか？まあでも、そんな感じで。みぃちゃんは私にとって道標。……襲名自体は名誉なことかもしれません。けれど、もし6代目を襲名したら今後はどこを目指せばいいのか分からないので……」

「ふうん、そっか。そういう風に思ってたんだね。じゃあ、他に襲名したい人はいるの？」

ドキ。心音がひとつだけ大きい。

あたしのことなんてつゆ知らず、たかみなの質問にAはフルフルと首を振った。その瞬間、強ばっていた体から力が抜けた。なんでこっちが緊張しているんだろう……。

だが「あ、でも」と彼女は思い出したように続けた。

「これも鈴子からですが……。私が、オリジナルの松井珠理奈さん(じゅりな)に似ていると言われたことはあります」

松井珠理奈。たしかAKBの姉妹GであるSKEの一期生として11歳で加入。後にAKBを兼任したメンバーだ。後から入った歳上の後輩からは『さん付け』で呼ばれ、落ち着いた容姿と言動のため年齢を言うと驚かれたらしい。

佐江より歳下だと知ったときのあたしたちと同じ。美森やともちん、あたしぐらいなのかなと思っていたから。

オリジナルの珠理奈は……運動、特に走ることが好き。仲が良いメンバーのひとりにはオリジナルの宮澤佐江を挙げる。

言われたらたしかに。頷くところがある。

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※Wikipediaの情報です。