ラピスラズリ④【0048】 (ページ18)

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▼Chieri

凪沙に続くように楚方や鈴子、友歌もマイクを取り出して歌って踊る。会いたかった、君に。芸能を、00を愛してくれるあなたに。

私は……ここでのライブはどうなんだろうって、頭でばかり考えて。だけど、凪沙は違った。

夢を見させて取り上げる、私さっきそう言ったけれど。実際は何も消えない。みんなで観た藍花星でのライブと同じなんじゃないか。

「智恵理。00は、待っていてくれる人たちのためにライブをする。理由なんてそれで充分」

「A……うん」

私、気づかされてばかりだ。

凪沙に吸い寄せられたようにキララが輝く。それを見て、彼女は私へ「一緒に歌おう」という代わりに、手を伸ばした。行こう、Aもそう言ってる気がした。……その直後、

異変にいち早く勘づいたのもA。男の咎めるような声。こちらへ近づく足音が止まる。気づいたときにはもう遅くて。

あの子たち、そして私と……そばに居た恵さん。全員を庇うようにAは立ってマイクサーベルを抜いていた。

「何をしている！ ……貴様らもしや00っ」

「「「きゃああああっ！」」」

「この子たちは無関係です！」

「ふんっ、大人しく武器を捨てろ」

「っ……」

銃を装備したDES兵が二人。私もマイクサーベルを構えてAの隣に並ぶ。可能なら戦闘はしたくない。穏便に撒きたいところ。

でもあの子たちを置いて逃げるわけにも行かない。どうしたものか。声を交わさずとも、Aもタイミングを見計らっているように思えた。剣を振り回すには場所が悪い。足元も雪で滑りやすい。どうしよう……すると、

「何っ！？」

「うわっ……離せ、くそっ！！」

上空から機体が着陸体制に入ったような音が。DES兵を後ろから囲うように降りたのはパワードスーツ。こじはるさん推しの外観だ。こじはるさんのWOTAさん？

パワードスーツは驚くDES兵を、大きな手で人形でも持つかのようにつかまえてしまう。驚いているとツバサさんから通信が入った。

てっきり外出したことを言われるのかと思った。しかし、聞こえてきた声はむしろ明るくて……

『貴方たちに乗ったわ』

「「えっ」」

『強襲ライブ改め、同時多発ライブ！』

「同時、多発ライブ……！？」

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【同時多発ライブ】

芸能禁止星のライブがDES軍に狙われた際に行うライブ。研究生メンバーが何組かに分かれて攻撃をかわしながらライブを行うことで、襲名ステージへの攻撃を手薄にする。