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▼Chieri
Aとはカフェの前で別れた。彼女はせっかく街まで来たから、と。開票前日の街の様子を見てから寮に帰ると言い、私が行こうとしていた方角とは反対へ。
私は劇場までの道を辿る。その間も、さっきAが言っていたことが頭に残っていた。……違う。私を好きになった人たちは、ゾディアックが用意した仕事を通してそうなっただけ。
そんなの本当の愛じゃない。偽物なんだ。
「あの忙しさは、私の実力に見合った仕事の量じゃなかった。仲間を巻き込んで、怪我までさせた。今度はズルをして、選抜に入る……？」
私は実力で選抜に入りたい。お父様の力で入ったってしょうがない。嬉しくもなんともない。良かった、なんて思わない。みんなは自分の努力だけ。なのに私は……。
研究生とか襲名とか、関係なく勝負をしようと言った優子さん。ごめんなさい。私は貴方のライバルにはなれません。同じステージに立つ資格すら、無い。
劇場に着いたら、ツバサさんがいるだろう支配人室を目指す。帽子を取ってから出入口をコンコンと二回ノック。中から声が返ってきたらドアがスライドする。
ツバサさんは今もお仕事中だったらしい。中まで入って再びドアが閉まる。二人きりになってから、思いを伝えた。
「私は今日限りで00を辞めようと思います」
「…………。00を辞める？」
デスクで向き合っていたモニターを消した後、ツバサさんは目を丸くする。第一に、私がこれ以上ここに居続けたら他のみんなに迷惑がかかるから。
そう言うと、ツバサさんは両肘をつく。手は緩く指を絡ませた。眉は釣り上がり、私に怒っているようにも見える。
「……だったら、どうしてもっと早く辞めると言わなかったの？」
「え……？」
「速報9位。その票のひとつひとつは……貴方を想って、ファンの方たちが入れてくれたもの。その気持ちを、貴方は踏みにじろうとしている」
言う機会はあった。そう言われた気がする。
ツバサさんが知らないわけが無い。調べれば、父と並ぶ私の姿を撮ったものだって出てくる。ツバサさんは、私の父がゾディアックのCEOと分かっても追い出さないでいてくれたんだ。
……それに、総選挙も。卒業するメンバーは投票開始前に、選挙を辞退する旨を伝えなければならない。ゾディアックの娘というのはもう明らかになっていた。それなのに、なぜ今になって。
ツバサさん、あれは純粋な好意じゃないんです。
「あの票は…………私の力じゃない！」
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東雲れーた(プロフ) - たるそらさん» めちゃくちゃ楽しんでいただいているようでこちらも嬉しいです。9位の理由は後にご説明しますのでお楽しみに。るーりんを愛してくれること、そして当作品を読んでいただくこと。ふたつともありがとうございます。続編(はもう少しお待ちを)もよろしくお願いします。 (7月12日 13時) (
レス) @page50 id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
たるそら(プロフ) - どわああああるーりん9位！メディア選抜入れたのは嬉しいけど悔しいいいい！！！普通にるーりんの1ファンとして見てます！これからも応援しています！ (7月12日 0時) (レス) @page50 id: c2abce8c95 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - オノマトペさん» お返事に時間を要しましたが、今後の更新においてめちゃくちゃ励みになりました。ありがとうございます！ 私は私の書きたいものを書いているだけですが、楽しんでいただけているようで何よりです。これからもるーりんの成長諸々を見守っていただけたら幸いです。 (6月23日 19時) (レス) id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
オノマトペ(プロフ) - るーりんを通してあの頃の00を見てた時のワクワクが感じられて本当に楽しいです。気長にお待ちしていますので、無理しない範囲で更新してくだされば嬉しいです。応援しています！ (6月20日 19時) (レス) id: 1db5f71093 (このIDを非表示/違反報告)
オノマトペ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。1人のキャラクターの物語として、原作にもしるーりんが居たら。という展開とそこに至るるーりんの影響力に説得力があり、ひっかからずに読み進められました。 (6月20日 19時) (レス) @page11 id: 1db5f71093 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年6月16日 19時
