431# 責任のとり方 ページ31
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智恵理はミルクティーを底まで飲み干す。そして、急に立ち上がった。安永さんと私は揃って首を傾げる。彼女は短く息をついてから鞄をゴソゴソ。二人分の飲み物の代金だというように紙幣を一枚、テーブルに置いた。
「Aごめんね」
「え？」
「私のために、って。お父様が裏で手引きしていたんだもの。……もちろん、言って済むことじゃないって分かってる。それでも不快な思いをさせたから。それだけでも謝りたくて」
智恵理は。彼女自身は、何も悪くないのに。すべては娘のためと言いながら、完全芸能禁止の星に本社を構えるゾディアックの責任者・父親が指示したこと。
その行動も矛盾だらけで、正直何を言っているのか終始不明だったが。すぐ隣の智恵理は『父親の代わり』というように。もう一度「本当にごめん」と言った。
「お父様に伝えてちょうだい。お父様の思うようには、絶対にさせない。たとえ、自分の夢と引き換えにしても……！」
「…………お嬢様」
夢と引き換え……ってどういうこと。彼女が言ったことをすぐには理解できなかった。……でも、お店を出ようと促されて、私も飲み物を急いで流し込む。安永さんに一礼してから、智恵理を追いかけてその場を後にする。
それまでの時間で、智恵理の言葉の意味はしっかりとわかった。あんたまさか……00を卒業する気？ 核心を口にすると、智恵理は顔を上げた。
どうやら図星らしい。目深の帽子の下から、泣きそうな彼女が見えた。そして……
「うん。……今から、ツバサさんに言ってこようと思う」
それは、本心？ 嘘、違うでしょ。
アンダーに選ばれたとき、ゾディアックの社長令嬢と一部の研究生にバレた。あのときは彼方さんが説得して、思いとどまる。父親に罪悪感があるならずっと前に00を辞めたはず、そもそもオーディションに応募なんてしないはず。
でも、智恵理は。凪沙たちと00になるって夢のために、ここまで来たんだ。
「本当にそれでいいの？」
「これ以上、みんなに迷惑かけたくないから。……それに、ファンの人も。お父様のことがなかったら好きになってくれたか分からない」
そうかもね。智恵理の言うことはわかるよ。でもさ。
全部が全部、ゾディアックのおかげとも思わないんだ。
「ファンの愛は本物だよ」
今の智恵理には届かないだろう。それならそれで仕方ない。私じゃ引き止められないと思う。だって、彼女が信じるべきは私の言葉じゃない。自分のファンだから。
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東雲れーた(プロフ) - たるそらさん» めちゃくちゃ楽しんでいただいているようでこちらも嬉しいです。9位の理由は後にご説明しますのでお楽しみに。るーりんを愛してくれること、そして当作品を読んでいただくこと。ふたつともありがとうございます。続編(はもう少しお待ちを)もよろしくお願いします。 (7月12日 13時) (
レス) @page50 id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
たるそら(プロフ) - どわああああるーりん9位！メディア選抜入れたのは嬉しいけど悔しいいいい！！！普通にるーりんの1ファンとして見てます！これからも応援しています！ (7月12日 0時) (レス) @page50 id: c2abce8c95 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - オノマトペさん» お返事に時間を要しましたが、今後の更新においてめちゃくちゃ励みになりました。ありがとうございます！ 私は私の書きたいものを書いているだけですが、楽しんでいただけているようで何よりです。これからもるーりんの成長諸々を見守っていただけたら幸いです。 (6月23日 19時) (レス) id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
オノマトペ(プロフ) - るーりんを通してあの頃の00を見てた時のワクワクが感じられて本当に楽しいです。気長にお待ちしていますので、無理しない範囲で更新してくだされば嬉しいです。応援しています！ (6月20日 19時) (レス) id: 1db5f71093 (このIDを非表示/違反報告)
オノマトペ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。1人のキャラクターの物語として、原作にもしるーりんが居たら。という展開とそこに至るるーりんの影響力に説得力があり、ひっかからずに読み進められました。 (6月20日 19時) (レス) @page11 id: 1db5f71093 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年6月16日 19時
