ラピスラズリ⑩【0048】 (ページ49)

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今回のDES軍の主力は、協力体制であるゾディアックから提供された最新式の無人戦闘マシン。DESの精鋭兵士たちもやる気十分だ。果たして00たちはライブを何分続けることができるだろうか……という内容を噛まずに言う。

まるで貴族が社交ダンスでも踊りそうなくらい広い空間。そこにはいくつものソファとテーブルが敷かれている。目がチカチカする金色に、赤い緞帳(どんちょう)。立派なスーツや綺麗なドレスをまとう人達に混じって、中尉もしくは更に上の階級の軍服を着たDESの指揮官まで座っていた。会場のほぼ全員が目元を隠す仮面をつけている。

「5分に1万」

「10分に5万」

「20分に20万じゃ！」

凪沙たちはこの様子を見て、一旦物陰に身を潜める。声を出すと見つかるかもしれない。携帯を取りだして文字で会話をする。友歌は打った文章を凪沙と真琴に見せる。

友歌
》あれ、今やってるゲリラライブだ！？

凪沙
》何分続けられるかって、どういうこと？

真琴
》ここ……力ジノだ！

事前にあった政府高官や民間企業の重役、投資家、学者などが出入りしているという情報。彼らは仮面をつけ、おそらくそこで声を上げる者たちと同一人物。

三人は任務の内容をもう一度頭で繰り返す。

友歌
》間違いない……。00のライブにお金をかけてるんだ

凪沙
》ウソッ！？わたしたちのライブがそんなことに？

真琴
》……ってことは

友歌
》非合法の闇力ジノってことか

これが、この星の秘密。DESとして、芸能を禁止するフリをして……裏では大儲けをしていた。この場にいる彼らは、00のライブはただのエンターテイメント。メンバーである彼女達にとってはなんとも許し難いことである。

ただ、まあ。中には本気で芸能を反対している者もいるだろう。この娯楽を知るのは一定以上の階級の人達。だからといって許す気は微塵もない。手を汚さずにお金をかけるのも、ライブを妨害するのも。敵対心や不審が募る。

もっと近づいて、詳しく調べよう。友歌が駆け出したのを凪沙が追いかける。真琴も続くが、鉄骨の上を走る際に下を見てしまう。あまりの高さに怯み、足を滑らせた。悲鳴が響き、髪をしまっていたハンチングが頭から落ちる。

真琴は鉄骨にしがみつき、落下せずには済んだ……が。会場のカメラはその姿を捉える。管制室は力ジノ内の侵入者を知ってしまった。

「こいつ、何者だ……」

データを照合。

彼女は横溝真琴、00のメンバーだった。

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