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ライブが開始してまもなく。00の対応で、中はシンと静まっていた。それでも万が一ということがある。友歌班は体を小さくしながら移動していた。小型カメラで周囲を確認し、誰もいないことが分かってから顔を出す。
どうやらここは武器庫らしい。00が持つLASの数より多い。そして巨大だ。さすが『軍事要塞』。そう呼ばれるだけのことはある装備だった。見えるところに人影はない。
三人は立ち上がって移動し………ようとしたら。音楽が聞こえてきた。反射的に足が止まる。聞き間違いじゃないらしい。音の方を振り返った。凪沙は訝しむ顔で曲名を出す。
どこから聞こえるんだろう。三人は方向転換。音の出処を探ることにした。だって普通に考えてもおかしい。
「ほんと、ヘビロテだ」
「……でも。なんでDESの基地に00の曲がかかってんの？」
音漏れしているところは意外と近かった。照明はやや暗い。一見は人が寄り付かなそうなのに。出入口には黄色と黒のKEEPOUTが。立ち入り禁止。「ゲリラライブがモニターされている？」と凪沙は言う。
00に関することなら調べなきゃ。友歌は、班に分かれる際に鈴子から受け取ったハッキング用のコードで、扉を開けようと試みる。しかし結果はエラー。無効だった。ここだけ鍵が違うらしい。ますます怪しい。
開かない。どうしたらいい。真琴は辺りを見回した。そして見つけて、指を差した。そこには屈めば人も通れるような通気口ダクト。アニメや映画などでスパイや怪盗などがここを使って逃げるシーンを観たことがある。
「ナイス真琴！」
「へへ〜ん」
「音、大きくなってきた」
凪沙、友歌、真琴の順に侵入。先へ進むとさらによく聴こえるように。……出口だろうか。明かりが見えてきた。
三人はまたも周囲を確認した後にダクトを脱出。さっきと違っていくつもの照明が。なぜか音楽が鳴り響くその場を、身を屈めて移動していた。…………すると。
『さあ〜始まりました！ 本日のメインレース。芸能絶対禁止の波羅星、この軍事要塞ベガスターの戦力と00はどう戦うのか〜！？』
00のライブ映像を背に、やけにノリノリのバニーガール。
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※
ダクトを移動することは現実的には不可能らしいです。もし読者様の中に書き手様がいて『ダクトを使って別の部屋へ行く』方法を使いたいとき、オススメはしません。専門知識を持つ方に素人の無知だと思われる可能性があります。ま、どうせフィクションですけどね
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年7月13日 21時
