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まゆゆのアンダーなんて責任重大。緊張もする。そのポジションに指名されたのは76期の瑞穂だった。ツバサに「貴方を選抜に入れたくて、応援してくれた人達がいる。頑張りなさい」と喝をもらっていた。
ゆいはんのアンダーは同じく葉月が。ぱるるのアンダーは鈴子が務めることになった。彼女たちは今頃、劇場のステージの上。今日で早くも三度目のアンダー。楚方は鈴子の姿を見に行っている。
そう。現在バスルームにいるのは非選抜と同時に、非アンダー組。アンダーは、自分以外の振り付けも覚えなければならないから負担は大きい。それでも……まだまだ足りないと言われたみたいで。自分は成長していないんじゃないか、そこまで思ってしまう。
「……まぁ、仕方ないよ」
「「「…………」」」
「智恵理は歌上手いし超可愛い。Aも入った頃からダンス上手くて、ちゃんと自分持っててかっこいい。鈴子もちゃんと出るとこ出っ張って、スタイル良いし……。それに比べてわたしは。これじゃあ、選抜にもアンダーにも選ばれんくて当然やわ……」
また真琴は人と比べる。他人の羨ましいところばかりに目が行き、自分は「劣っている」とする。持っていないから、当然。そう言うように。
乾いた笑いが反響した。誰よりも落ち込む真琴。凪沙たちは励ますように集まる。どうどう。選抜やアンダーに選ばれなかったのは真琴だけじゃないでしょ。それはそうだけど。
真琴はまだ憂鬱みたい、……だって、Aに活動辞退を勧められた数日後に鈴子のアンダーが決まったのだ。まだ傷が癒えていないところに追い討ち。
同期のそれはとてもおめでたい。けれど、隣にいた人が今日はいない。内心は焦る。周りが「どうして自分は……」と思うところを、真琴は「どうせ自分は……」と思う。だから余計に落ち込む。
「いつまでチャプチャプしてんの〜！？」
ガラリ。戸が開いて、誰かが入ってきた。
顔を上げた先には髪をまとめた彼方がいる。総選挙のことを引きずっている暇なんかないよ、と。そしてもうひとつ。
「次の強襲ライブ、決まったってさ」
.
※
布石を置いたとはいえ、今考えてる時点ですが真琴回は視点なしがいつもより多くなるかと。キーパーソンは織音。頑張れ織音。あのときAさんが頼んだことが響くかどうかは、織音にかかってると言っても過言じゃない
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年7月13日 21時
