ラピスラズリ⑩【0048】 (ページ14)

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464 :♪初日(メロディだけページ14

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だけど優子の気持ちは知っている。あっちゃんを目標のひとつとし、更には彼女を超えることを原動力に頑張っている。その姿を、メンバーなら誰もが今日まで見てきた。才加も「うんうん」と頷く。

1位になって、今回のシングルでセンターを務めただけでは駄目。自分はこれだけじゃ満足できない。センターとして活動を続け、更に輝きを増していきたい。そして……不動の存在、センターノヴァと呼ばれるように。

優子の必死な夢語り。感動して涙を流したり、見とれたりしている。優子のファンが優子を推す理由はこれだ。どんなに目標が高くても……それを叶えるために努力をし、なんでも全力で楽しむ。小さな背中がとても大きく見える。

『13代目あっちゃんよりも……強く光り輝くセンターノヴァに、私はなる！そして、センターノヴァになっても……私は消えません！！』

消えない。ぶちかましてくれる。

優子が宣言すれば、彼女の頭上で彼女のキララがまぶしく輝いた。6位で愛を叫んだ智恵理よりも、更に強い光。他のメンバーのキララも、会場にいたキララも。すべて。優子に引き寄せられて、輝く。

『私に着いてきてください。皆さんにセンターノヴァの……最っ高の真ん中星の輝きをお見せします！！』

優子の輝きは、離れた二階の客席までにも届く。今の彼女のスピーチに心を打たれない人なんかいるんだろうか。そう思うほどに素晴らしいものを見た。選抜総選挙としても、最高の終わり方だ。

友歌は頬を染めて、はしゃいでいる。すっかり9代目ゆうこに魅了されたらしい。優子推しの凪沙に同意を求めるように呼ぶ……けれど、彼女はうんともすんとも反応しない。不審に思い、凪沙を見るけれど。肩を揺すっても全く気づかない。本当に聞こえていないように。

夢中になっていた。かっこいい優子を再確認したから。一目惚れでもしたかのように。ぽ〜っとしている。

『では、スタンバイ席のメンバーが退場いたします。皆さん！拍手で、送り出してあげてください！』

選抜に入れなかったメンバーは立ち上がる。入場したところへ引き返す。初めての総選挙で色んなことを学んだと笑みを浮かべる者もいれば、まだここでは泣けないと涙を堪える者もいる。

凪沙は途中、立ち止まった。ステージを見つめる彼女にもう笑顔は無い。衣装のスカートと、右側のフリルを握りしめる。シワができていた。

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