121# あんたはどうしたいの？ ページ21
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たかみなたちが、まだ地下を彷徨っていた頃。窓から夜の光が差し込むほど辺りは暗くなっていた。劇場のレッスン室を出ていった彼方は寮の、智恵理がいるだろう部屋を訪ねる。
天井の照明がひとつだけ灯っていた。その僅かな光を頼りに、探し人は扉を背にしてトランクに私物を詰めている。
おそらく明るくしては誰かに気づかれる。人払いはした。他の同期に見つからない内に出ていこうとでも考えていたんだろう。
「どうするつもり？」
「今まで黙っていてすみませんでした」
「質問に答えていない」
彼方の声は智恵理が思っていたよりも冷静だった。それでも……日中あったことはもう消えない。
智恵理は、父親の
「…………わたしの父さんは、DES軍に殺された」
「っ！！」
「わたしは、父親の報復のために00に入ったんだ………でも。智恵理、言ったよね」
背を向けたままの智恵理へ、語りかける。また、寄り添うように脳裏によぎる少し前の記憶を思い起こした。
それは77期生の初めてのダンスレッスンのこと。楚方の件で心を乱して集中出来ず、智恵理が鋭い正論を放ったのだ。そして彼方は走って逃げてしまった。
『何も分からない。だから……先輩にしっかりしてもらわないと困ります』
「わたし、アレで目が覚めた。父さんの仇討ちなんてカッコつけてたけど。もう……それだけじゃない。わたしは、襲名メンバーになりたい」
父親の命を奪ったDESはこれからも許せない。でも、彼方はもう憎しみのみを糧にしてはいなかった。美森や楚方のおかげで歌が好きなことを認められたからだ。
純粋にアイドルを、襲名を目指して努力できるようになっていた。
「彼方さん……」
「智恵理だって、父親は関係ないでしょ？ 夢を叶えたい気持ちにね。……だから、今まで黙ってたんでしょう？」
彼方は智恵理の傍で
肩を震わせたかと思うと、それは溢れ出す。智恵理は顔を両手で覆い、嗚咽する。小さい子のように泣くんだね、と彼方は意外そうな顔をした。
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ひな(プロフ) - 東雲れーたさん» わー！覚えていてくださってありがとうございます！！とてもわかりやすくて見ているこっちまで胸が暑くなったり、ちょっとヒヤヒヤしたり...これからも頑張ってください！！ (2月4日 23時) (
レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - ひなさん» 確認しました。向こうにもコメントしてくれたひなさんでしたか！ 作品を跨いで気に入っていただきこちらも嬉しい気持ちでいっぱいです。場面が頭に浮かぶ、文字なのに音楽や息遣いが聞こえてくる……一応そんな文章を意識してます。今後も楽しんでもらえたら幸いです。 (2月2日 8時) (レス) id: 35709d1cf1 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ここまで来ちゃいました！！ポケモンの作品まで書かれていたんですね....！大好きな作品だったのですぐにわかりました！文の読みやすい書き方などが大好きです😌 (2月2日 6時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - 暇っぽちゃんさん» お返事遅くなってすみません。そう言っていただけてこちらも嬉しいです。応援ありがとうございます、頑張ります！ (2022年10月15日 20時) (レス) id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
暇っぽちゃん(プロフ) - 久しぶりに0048の新作品があってとても嬉しいです…！！更新頑張ってください！！ (2022年10月6日 18時) (レス) @page34 id: 31b607a5e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年7月17日 20時
