580# 彼方にとって究極の質問 ページ30
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高橋みなみという名前も、5代目たかみなさんも。彼方さんにとっては差をつけられないくらい特別な存在らしい。段々と声は小さくなり、微かに聞き取れた。たかみなさんが彼方さんの背中に手を置いたとき息を吸った。
私は今ここを通りかかったかを装う。「たかみなさん、いませんかー？」と声を上げた。どこにいっちゃったんだろうとも。そしたら数秒後には扉が開く。まだ目尻は濡れているけれど本人が顔を見せる。
「A、どうしたの？」
「レッスン室だったんですね。さっき、ゆきりんさんが呼んでいましたよ」
「ゆきりんが？」
「内容までは私もちょっと」
大嘘だ。ゆきりんさんの名前を出したのは、ゆきりんさんも襲名キララのことを知っているから。もし後で嘘とバレても、たかみなさんに言われるだけで済む。優子さんでもよかったんだけど、最近またピリピリしてるっぽいからあまり巻き込みたくなかった。
たかみなさんは「なんだろ。とりあえず行ってくるね」と、行ってしまう。私はレッスン室に入る。今度は扉をちゃんと閉めた。彼方さんは落ちた缶を拾う。なんだかまだ気まずい空気だ。換気してるというのにこもっている。
「彼方さんすみません。何かお話されていました？」
「……え、あ。いや…………ちょうど区切りがついたところだったし」
「そうですか」
まあ、ほぼ聞いていたんだけど。それを正直に言うわけにはいかない。……それにしても隠しきれていないから。当然と言えば当然か。憧れの人からあんな話。
でも私は思う。彼方さんは歌が好き、襲名したい。その強い想いは見ていれば分かる。夢を叶えるために必要なら、選ばなきゃいけないときもある。それは辛いし苦しいかもね。だが、望みは他人に譲っても叶うものか。
「熱海星での海」
「？」
「たかみなさんと美森さんが溺れていたとしましょう。どちらか一方しかボートに乗せられない、助けられない。そのとき彼方さんはどちらを助けますか？」
質問の意図がわからない。そんな顔だ。たかみなさんとの意味深な会話の後じゃ、メンタルがついていかないだろう。それは分かっているけれど、もう、美森さんは先へ行ってしまう。
隣に並べなくなってしまう。彼方さんはファンに比べられるだろう。口には出せないが、研究生三年目の箔も中々に強い。選択肢を順番に伝える。ひとつ、たかみなさんを助ける。ふたつ、美森さんを助ける。……そしてみっつ、自分を犠牲にして二人を助ける。
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東雲れーた(プロフ) - オノマトペさん» 嬉しいご意見ありがとうございます。内容重視で準備したいと思うのでお待ちいただけたら幸いです。コンビ推しの声もありがとうございます。先輩後輩なのに遠慮せず話せる・ライバルだが仲も良い。二人の関係性は私も気に入っているので、今後ともよろしくお願いします。 (9月17日 16時) (
レス) id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
オノマトペ(プロフ) - こ、これは…！超需要ありありだと思います！個人的には日替わりが一番楽しみですね、本編もるりめぐのところテンション上がりまくりで読んでいます。これからも更新頑張ってください！ (9月17日 13時) (レス) @page45 id: 1db5f71093 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - ハルカさん» そう言っていただけてとても嬉しいです。日替わりですか、了解です！ 作成時期は今の段階では未定ですが、公開したときはこの作品の中でお知らせするので気長に待っていただけたら幸いです。 (9月16日 17時) (レス) id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - たるそらさん» そうですか？ 私のひらめき次第になりますが、三択とも検討してみますね。公開時はどこかで言うと思います。当時00になりたかったの激しく同意！ この夢小説を通して、たるそらさんの想いも少し叶えられていたら幸いです。こちらこそ今後もよろしくお願いします。 (9月16日 17時) (レス) id: 70caf03276 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - 私も需要あると思います。個人的には日替わりがとっても気になります (9月15日 19時) (レス) id: f576803fcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年8月25日 9時
