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おおう、どうした？
織音は智恵理が持っていたライフルを
「織音、織音！ 落ち着いて織音！」
「そうだよ危ないよ！」
「でもっ……！」
周りにモフフのお母さんだと言われ、すっかり母性が目覚めてその気になってしまったか。親なら子を守る、ね。
取り乱す織音の気持ちはわからなくない。大切な存在が奪われたら……多くは手を伸ばし、取り戻そうとするだろう。私は寸前で間に合った。あのとき走り出したからみぃちゃんを失わずに済んだ。
だから……なんて言うつもりは無い。今回は違う。たかみなさんには手を伸ばしたけれど、私は織音に手を貸すつもりはない。鈴子も言ってたでしょ？ モフフは元々この星に棲む生き物。私たちは人間なの。仲間じゃない。智恵理と真琴も止めに加わった。
「何を騒いでいるの！」
「「「！」」」
さっきの襲撃について。もちろん上に報告が行ったらしい。未知の生物に襲われたということで、様子を見に来てくれたのか。しかし、いざ来てみれば何故か揉めているような空気が漂っているから。
うるさくしていたらまた襲われるかもしれない。その可能性を危惧しての鶴の一声。この場の全員の思考が一旦停止した。友歌が代表して、織音がモフフを助けに行こうとしている旨を伝える。返答は「ダメよ」。やっぱりね。
「今の状況を忘れたの？ 私たちは今、DESに追われる身なのよ。危険があると分かった今、フライングゲットの修理が終わり次第この星を離れます。それまで余計な行動はつつしんで」
織「あっ……」
凪友「「…………」」
織音にはショックが滲む。……本当に忘れてたのか。モフフは連れていけない。束の間の時間、これでお別れ。謎は残るが、もう関わるのはよした方がいい。モフフがいたから襲われた、モフフが奪われたら襲われなかった。そういうことだ。これ以上情が入っても仕方ないしね。
理論で考える私とは反対に、彼女を動かすのは感情だ。制止に涙を浮かべてライフルを抱え直す。「でも」、諦めきれないみたい。そんな織音にツバサさんはため息。そして……
「織音。貴方は自分が何をしたのか分かっていないようね」
何かする、ではなく。した。過去形？
ツバサさんは怒っている。眉間に皺を寄せた。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年10月22日 13時
