697# ロックオン ページ47
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そろそろ寝る時間。夜は、ツバサさんからの指示で襲名の人たちが交代でテントの護衛をすることになった。直前になって他の研究生もそのことを知る。……そのため、先に自分たちが行います。だから皆さんは休んでくださいと言う者もいた。彼方さんが筆頭だ。
しかし、それは認められない。理由は多分……もし本当に鬼がいるならば。それに襲われるとしたら、戦闘経験が少ない者では対処ができないかもしれないから。本当に何が起こるかわからない。一瞬の隙が命取りとなる。それでも。
『…………はあ、分かったわ。じゃあ彼方……智恵理、Aも。貴方たち三人だったら一抹の不安もなく任せられる。たかみな、それぞれ護衛の時間帯を割り振ってあげて』
「了解です」
ツバサさんは諦めたようにため息。彼方さんは、研究生のキャプテンだから。智恵理は、父親が敵の大将と知っても変わらずに接してくれる00メンバーのために何かできるならしたい意思を示す。
私も、先輩が護衛をしてくれる中で何もせずスヤスヤ眠るなんて。やはり申し訳なく感じる。疲れているのはそっちも同じ。私が不安を煽るようなことをゆいはんさんに喋ったからこうなったんだと思うし。
護衛は交代制。三班に別れて行う。自らが担当する時間外は睡眠に充てられる。まず一班は今からすぐ。メンバーはたかみなさんと佐江さん、ぱるるさん、きたりえさん。研究生からは彼方さんが行うことになった。
「きたりえ？ もう体は大丈夫なの？」
「平気。もうたくさん休ませてもらったし。逆に眠れないって」
佐江さんがきたりえさんに声をかける。それを片方の耳で聞き流しながら、私と智恵理、それぞれの担当が伝えられた。智恵理は次の二班、私は更にその次の三班らしい。ああ……私、途中で目が覚めるとその後眠れないしな。妥当な班分けだと思う。
それじゃあ、よろしくお願いします。護衛一班以外のメンバーはそれぞれのテントの中へ。各々の寝袋を広げ、その中へ体を滑り込ませた。織音の傍らにはモフフもいる。この数時間で本当に仲良くなったなぁ。
「ランタン消すよ」
「うん」
「おやすみー」
かち。電池式のランタンの明かりを落とせば、真っ暗までは無いけれど辛うじてみんなの顔が見えるくらいまで黒に染まる。さて、私も寝よう。
まぶたを閉じてから、そんなに経たずに意識を手放した。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年10月22日 13時
