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理由はもうひとつある。
たかみなさんとツインタワー。この三人だから言うけれど、私が
「理由も無しに二人を侮辱するような発言などをしたら……。仲間だろうとシアターの女神だろうと許しません」
「怖いから。……ひとつ確認していい？」
「どうぞ」
「あの、さ……。ウチと佐江だけじゃなくて、才加にも色々話してるの？ その……アレとかソレとか」
それは隠し事してるって言ってるようなものでは？ うーん、話してるかどうかなら話してない。だけどなんとなく。才加さん、察してるよね。話したくないことがある、みたいなこと。無理に聞いてくる人じゃないから、そこに甘えて現在に至る感じ。
たかみなさんが濁したソレは過去に関すること。そしてアレはアレ。私が本当は、メンバーの誰も信頼してないってこと。
分かりやすく言えば人間不信。家庭は冷え切り、付き合いが悪いからと学校で友達はいない。教室では普通に話しかけて来る子たちが、トイレで陰口を言うなんてしょっちゅうだった。誰もが来る場所で言うなんてどうかしてる。せめて本人がいないところでやってほしい。
「00は、仲間を信じなきゃ命は無い。私はみんなのことを信用はしてます。でも信頼はしてません」
「なんだっけ。信用は実績のことで、信頼はその人自身の人柄や考え方、立ち振る舞いとかだっけ？」
「たかみなさん、満点の回答です。秋葉星を奪還し、事が全て終わったらお菓子をあげましょう」
「子ども扱いすんなぁ！」
いて。小突かれた。私はたかみなさんとこんなふうにやり取りができるようになるまでになったが、全部信じることはできない。悲しいね。信じたいんだけどできない。また悪口言われたらどうしようって。
アンチは気にしない。たかみなさんとの違いは知ってる人かどうか。以前、彼方さんの件で彼女の涙を見た。アンダーなんて嫌だ、自分がステージに立つと私の手を振り払った。そういうところを見ちゃったから。
知ってる人から、本音を望まない形で聞くのはまだ怖い。だから、みんなの全部を信じることはできない。私は結局自分が大事なんだ。才加さん、すみません。
「謝ることじゃないだろ。アタシは、Aには他にも沢山できることがあるって知ってる。大丈夫。ショックなんて受けてないよ」
「ありがとう、……ございます」
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年10月22日 13時
