672 :♪Blue rose ページ22
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みぃちゃん機から発射。その攻撃はフライングゲットに命中しない。反対側の、DESの戦闘機数体へ当たる。反対側の小さな窓で、一網打尽にしているのが見えた。敵からの火薬の雨が止む。揺れが一時的かもしれないが収まった。
そしたら音楽が流れた。なんで。こんなときにその曲を選ぶなんて、いったいどういうつもり。まるで…………、私はこんなこと望んじゃいない。00が終わるのと同じくらいの最悪が私と、葵平先生によぎる。
「ちょ……！ あんた、私たちを助けるために命賭ける気じゃ」
『！？ みぃちゃん、何を馬鹿なことを！』
『邪魔しないで！！ これが5代目峯岸みなみの卒業公演よ！ 当時からの仲間とファンもいることだし、最後ぐらい……ビシッと決めさせてよね！』
公演。ならば聴いてくれる観客が必要。だから音声を艦内に繋げたのか。やだ、やだよそんなの……。葵平先生のせいで最後が最期に変換されてしまう。
みぃちゃん機は、今度はフライングゲット号の反対側へ。目に負えないスピードで追い越して単身で敵の元へ。私は涙に構いもせずに、彼女がよく見える反対側の窓へ走った。…………キララが輝いている。奇しくも青い薔薇と同じ色。間違いない、みぃちゃんのキララだ。
力がみなぎったかのように、内一機に強烈な一発を入れたかと思えばすぐさま他の機体へ銃を発射。瞬きすらも邪魔だと思うほど、素晴らしい身のこなし。私の後を追いかけてきたメンバーすらもそれに釘付けだった。
み「あっ、」
彼「すごい……」
今頃知ったのか。みぃちゃんはすごいの。DESに魂を売ったふうに言うけれど、そんなわけないじゃん。もう卒業した彼女が、たったひとりでDESに向かって戦ってるのに。
何のために？ どういう得があるの？ ひとつしかない。00のために決まってる。凪沙たちも駆けつけ、誰がLASに乗っているのか聞いてきたので「みぃちゃんだよ」と教えてあげた。私たちのために、戦ってくれているとも。
ツバサさんが『戻って！』と言うも状況は変わらない。【峯岸みなみ】のキャッチフレーズは、年中無休の反抗期。5代目みぃちゃんはやはり応じない。
「……きゃ」
秋「先輩？」
「止めなきゃ。こんなの、絶対だめ……」
考えてたことは一緒らしい。目を見つめて「私も行きます」と声をかけた…………そして。時間は争うが、本当は彼女も全力で走りたいと思ってる。
「たかみなさん、」
私、貴方に後悔してほしくないです。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年10月22日 13時
