664# 10代目秋元才加の一番星 ページ14
▼SAYAKA
最初から感じていた。Aがみぃちゃんのことを話しているときは、自分を見ているみたいだ。アタシも8代目ゆうこ……咲和先輩のことを話しているときはこんな感じなんだろう。目はキラキラして楽しそう、幸せそうで。
秋葉星の攻撃にはみぃちゃんが関わっている。知らされたときに脳裏に浮かんだのは二人。Aと先輩。より強いのは先輩だった。Aにはたかみなが着いているし大丈夫だ。聴取には行かないという先輩はどこにいるんだろう。
聞いたこともないくらい弱々しい声だった。酷くショックを受けていた………だから、アタシはみぃちゃんをせめる気にはなれない。今の咲和先輩をひとりにしちゃいけない。探さないと。
いきなり走り出したため、佐江の「才加！？」が後ろから聞こえた。アタシは足を止めて丁寧に説明したりしない。
「
「……ゆいはん？」
「咲和はんを探してんねやろ。うちも探す。きっと、思うてることは同じや」
本来なら。
ツバサさんは卒業し、今はDESの追跡を躱すためにやることがある。先輩メンバーであるしーちゃんやはーちゃんは不在で、たかみなも聴取に行ってしまった。……となれば、アタシたちが後輩をみて場をまとめないといけないと思う。だけど……貴方のために走りたい。
アタシに夢をくれた。あの笑顔が忘れられない。時に優しく、時に厳しく。色んなことを教えてくれた。かっこいいとよく言われるアタシを「可愛い」と言うのはあの人だけ。00に入る前も、入ってからも。たくさんの愛をもらった。
「アタシは、先輩に何にも返せてない」
「……うちも。もらってばっか」
ゆいはんは研究生じゃなかったのにいきなりメンバーになった。もちろんそれをよく思わない研究生や、接し方が分からない襲名メンバーがそれなりにいたわけで。
憧れの襲名をしたとはいえ、人間関係は0に近い。寮で暮らしてもらうからと荷物を移したはいいものの周りは遠巻きにした。その中で、最初に声をかけたのが咲和先輩らしい。
『劇場のカフェの子だよね？ 私のこと覚えてる？ 何度かお店に行ったこともあるんだけど』
『あっ、はい！ 覚えているというか、優子さんは人気ですから……』
0048年。久しぶりの総選挙で初めて選抜に選ばれた。ゆいはんも、順位は落ちたがファンに求められている。アタシたちがここまで成長できたのは先輩のおかげなんですよ？
「見つけました」
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年10月22日 13時
