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WOTAの人型戦闘用兵器は、00が使用するライブアサルトスーツ……略してLASの古いタイプのものを指す。
新型が開発後、つまり使わなくなった旧型はWOTAが引き取って改造する。その中には、うちのリーダーのみたいに自分の推しメン向けに外観まで改造しているWOTAも珍しくない。
D.G.T.OやDES軍によるライブの妨害に対抗すべく生まれたもの。先輩のようにWOTAとしての活動が長い人たちにとっては、杜也くんは結構有名人らしい。若いながらも、WOTAとして組織や00に貢献してきたから。
「無駄話はいい。何者かは分かったし、とりあえず現状の共有……あそこにいる奴らにでも訊け。面倒くさそうな顔をしたらオレの名前を出していい」
「杜也くんってすごい人だったんだねぇ」
「……別に、あいつが言ったからだろ。Aがオレを見つけてくれたから、結果的に今ここにいるに過ぎない」
トップオタまで上り詰めておいてとか、過小評価だとか、思うことはあったけれど。そんなことよりも。杜也くんに言われてハッとする。そ、そうだ！ Aちゃんは！？ 色々なことがあって忘れてた。あたしのバカ！
初対面ではあるが親しい男に尋ねるがなんだか歯切れが悪い。言葉にならない「あー……」しか出さない。は？ ちゃんと言ってよ。やっとまともな言葉を発したかと思えば「それも含めてまずは現状聞いてこい」。あたしの背中を、先に歩き出した仲間の元へ押されてしまう。
「あ、そうだ。話聞いたらグルチャの方に連絡頼むわ」
「はっ？ 自分でやりなよ！」
「無理。さっきまで忙しかったから通知自体切ってるし、一回返したら質問攻めに合うのは目に見えてる。任せた」
都合のいい駒扱いされてる感が否めない。
だけど、どうせあたしは言う通りにしちゃうんだ。
「はいはい分かった。みんな、推しメンもだけどAちゃんのこと心配してる。特に『風鈴』がね。やばい」
「親友が行方不明でまともでいられる方がおかしいだろ」
「……そう思うなら連絡してあげなよ。グルチャでは落ち着いてるようだけど、個チャではめちゃくちゃ荒れてるから」
「やだよ面倒くさい」
……まったくもう。
杜也くんは後ろで00メンバーに呼ばれて行ってしまう。背中には金の糸で、3型目まゆゆの名前が刺繍されていた。これを見ちゃったら何も言えないじゃん。あたしは今度こそ仲間のところへ。
彼には、彼にしかできないことがある。だからあたしは、あたしにもできることをしよう。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2024年3月16日 19時
