752#【ツバサと理子】 ページ2
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お二人が言うに、00に関わりがある住民とも協力しているらしい。例えばともちんさんの親族、板野家の人たち。他には俳優の牧野理子さんとか。
しーちゃんさんに呼ばれて画面に映り込むと……
「！？ りっちゃん……！」
『お互い仕事が忙しくて、久しぶりに顔を合わせたって言うのにね。……ばっさー、メンバーもファンも大丈夫だよ。わたしも、みんなのためにできることをしてるから』
「で、でも。りっちゃん、貴方は……！」
鈴子が小声で囁く。彼女は、元5代目川栄李奈。かつてはツバサさんと同期だった。
現役時代、他の星での握手会においてアンチファンによって凶器で切りつけられて負傷。それから間もなくして卒業を発表した人だ。主な卒業理由は…………戦うのが怖くなったから、らしい。
ファンを守るために戦うのがAKB0048。だが彼女は、その一度で深い傷を負ってしまった。ファンを真正面から信じることができなくなった。自分は【川栄李奈】の椅子に座る資格なんてないと思い、泣く泣く卒業……。
『うん、心配だよね。もし戦闘が必要な事態になっても……わたしは何の役にも立てない。今の子たちの方が全然頼もしい。でもさ、わたしだって元メンバーなの』
「！」
『みぃちゃんや優子さん、さしこにしーちゃん。ゆいはん、とも〜み。一期上すらすごい人たちばかり。襲名後も中々目立てなかったけど、一緒に頑張ってきたじゃん。ここで一番わたしを知ってるのはツバサでしょ？』
「はぁ……貴方は本当。昔から、変なところで強情なんだから」
無理はしないのよ。それはお互い様……なんて。普段とはまた違うツバサさんを見た。
向こうの様子を聞いたら今度はこちらから、とはならず。悪いがここまでのあったことを丁寧に説明する余裕も時間も無い。そう言うように「今から、秋葉星奪還作戦について詳細を話すところだったの」と、ツバサさんは切り出した。こじはるさんたちの顔が引き締まる。
『WOTAさんも何人か同席してもらった方がいいですよね』
「そうね。……あ、そうだ。しーちゃん、」
『ん？』
「本部から、秋葉星との通信網を復活させるために真っ先に動いてくれた者がいるって聞いているの。よければ呼んでくれるかしら？ 咲和先輩が言うには、Aの知り合いだって」
『あー、顔分かった。おっけおっけー』
急に自分の名前が出たせいで視線がいくつか刺さる。
ていうか……絶対あいつじゃん。待ってて、って。そういうことね。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2024年3月16日 19時
