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そんな凪沙や、慌てる真琴に助け舟。たかみなさんやゆきりんさんが私服を貸そうかと言った。
実際それは助け舟に見えて………
「やめとき。たかみなとゆきりんと来たら、ダサ私服のツインタワーだよ。ねえA」
「……なんで今振るんですか。ゆきりんさんがセンスいいのは足元だけだし、たかみなさんからは正直借りたいとは絶対思わないですけど」
「ええっ！？」／「なにおーう！」
ぶっちゃけ過ぎたかな。でも才加さんは笑って「アンタ最高！」って肩を組んできた。まあいいか。
でも、たかみなさんが詰め寄ってくるから手のひらを向けて苦笑い。これには、才加さんが「これが本当の生の声じゃん」とズバリ返してくれた。そしたらゆきりんさんも「わたしたちだって……」と応戦して、
「すいません。後は外でお願いします」
「いやいや、火種はAでしょ！」
「そうでした？ 文句は夜に受け付けるので〜。それじゃまた」
無理やり室内の外に押し出してドアを閉めた。
………ちょっと正直すぎたな、全然失言だと思ってないけどごめんなさい？ 心の中で謝る。
「Aは凄いっすね。襲名メンバーにもあんなこと言えるなんて……」
「そう？ そりゃマジで怒らせることはさすがにないよ。笑えるライン狙ってる。これの積み重ねで『襲名に怖気ず物言える研究生』の箔が付いて覚えてもらえるかもしれないし」
「はーっ、色々考えてるんすねぇ」
それほどでも。だって、キララがいるから。
キララの存在が、私にアイドルの資質があると希望を持たせてくれた。なら頑張らないと損だろう。次はキララを輝かせて、本当にアイドルになりたいからね。
「二人もいい？」
「えっ、何が？」
「聞いてなかったの？ レッスンは午後からだし、握手会で着る服、みんなで買いに行こうよって」
友歌の提案で服を見に行くことになった。ファッションを始めとして、多様に出店しているビルを訪れた。209、通称ニトキュー。
…といっても、私は本当に見るだけ。先週、靴とブレスレット買っちゃったから今回はちょっと……。自信が無い凪沙たちには「試着するから感想教えて」と言われてその役は引き受けた。
「ぎゃ〜、もう分かんない」
「うわっ。これ三万もする」
「わたし2000円しかないよ！？」
「最初から買えないじゃん」
本当に何とかなるのか？ 珍しく共にお店に来た智恵理は、壁に寄りかかって溜息をついていた。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年7月1日 14時
