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▼Nagisa
喧嘩してたんじゃなかった。喧嘩と気持ちをぶつけ合うのは違う。
レッスンを再開するからと、わたしたちは退出した。出ても壁に寄りかかってしばらく動けずにいた。友歌からもぽつりぽつり、思ったことがこぼれていく。
「うん、素敵だった。本当に」
「うん……」
智恵理が友歌に言ったこと、正直どうかと思った。どうしてあんなことを言うのって。理解できなかった。あの言い方は、まるでわたしたちを否定しているようだ。友歌だって良い気しなくて当たり前だと思った。
その理由を知りたかったのに。襲名の人たちを見たら、わたしたちはなんてちっぽけなことで心を乱していたんだろうと感じた。
智恵理も、ただ喧嘩腰に言ったんじゃない。わたしたちを否定しようなんてなかった。あれはただ、智恵理が智恵理の意見を言っただけ。
「こっちだよ」
「待ってー」
「？ 他の候補生たちだ。どこ行くのー？」
人通りの無い通路に高音が通る。声の方にはわたしたちと同じく、セレクション審査で訓練中の候補生が数人いた。友歌が訊くと、彼女たちはこれからツバサさんのところへ行くらしい。
ツバサさんへ、こんな訓練やめさせてくださいと頼みに行くとはっきり言った。仮にもわたしたちは審査されている側。なのにすごい行動力……。
「だって、セレクションが戦闘だなんて聞いてなかったし」
「そうだよ。襲名組は歌っているのにさ、あたしたちだけ戦わされるなんて絶対ずるいもん！」
腰に手を当ててキッパリ言う子と、腕組みをして強く同意する子。でも、そんなの「わかった、戦わなくていい。代わりの課題を与えるわ」なんて絶対ならないよ。
わたしが船でDESに囚われたとき、襲名は戦っていた。あのライブのときだってそうだ。そのときは歌いながら、だ。襲名の人たちは。喉まで出かかったところで、友歌が先に声を上げた。
「なにそれ！ 襲名の人たち、すっごく頑張っているんだよ！ ずるくなんてない！！」
「友歌……」
「そんな半端な気持ちでセレクション受けたの！？ そんなの迷惑だよ！」
左側から足音が聞こえてきて、それはわたしたちの近くでピタリと止まった。やってきたのは智恵理。眉ひとつ動かさず無表情。瞳は友歌を捉えているように見えた。
そのまま何も発することはなく、別の方へ曲がって行ってしまう。わたしはそもそも智恵理を追いかけていたけれど……今は、それどころじゃなく。
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ひな(プロフ) - 東雲れーたさん» これから続編に向かうところです！！とても好きです😭✨ 全部が全部脳内で有声再生されるくらい好きなのでこんな素敵な作品に出会えて嬉しいです....！ (2月2日 4時) (
レス) @page50 id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
東雲れーた(プロフ) - ひなさん» 当作品を読んでいただいてありがとうございます！ 放映当時のワクワクはもちろん、当作品ならではの展開もまとめて楽しんでいただけたら幸いです。 (1月31日 5時) (レス) id: 35709d1cf1 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 00の作品に出会えたことがすごく嬉しいです...小さい頃から大好きなアニメだったので感慨深い.... (1月30日 22時) (レス) id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2022年6月30日 15時
