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00は過去のAKBに敬意を持ち、オリジナルメンバーの名前を受け継いでいる。だから……襲名メンバーと研究生なら、襲名をした方が褒められる･注目されるのは必然だ。
AKB0048が求めるのは初代の名前を未来に繋ぐこと。本名を名乗る私たちはどこまでいっても研究生。伝説のアイドルとは別人である。たとえファンができても、求めてくれても。襲名できなければ『それとは違う』。
だが、藍花星公演をキッカケに大きく変わり始めた。
芸能禁止が進む星で初めての研究生公演。殆どが数ヶ月前に受かったばかりの新米研究生なのに、センターノヴァを彷彿させるまでに輝いた。あっちゃんが消えてからの00、現在の襲メンには出来なかったことをした。私たちは、研究生が襲メンに劣る概念に亀裂を入れたのだ。
「覚えています」
「誰かの真似をする必要なんて無いんですのよ。私は……ツバサさんのような麻里子を目指しては無い。私らしい麻里子で、精一杯頑張る。さっきの……襲名メンバーより半歩下がるような発言は、本当にあなたの本心？」
耳聰い。そんなことを思ってしまった。正直なところ、半分は条件反射。分かりやすく言うなら社交辞令のようなもの。私はこれでも総選挙9位である。適わずとも、自分が負けるとは微塵も思っていない。
過度な謙遜や遠慮は時として相手を傷つける嘘と化す。だから私は、多少生意気に思われる方を選んだ。ま、自分の
「そうですね。関係ないかもです。……でも、私もなんですよ？」
「え？」
「抽象的ですが、私も8代目まりこ様をすごいって思ってます。研究生のときから大好きな先輩の一人です。そうじゃなきゃ、泣かないです」
彼女の襲名が決定したときに涙がこぼれた。嬉しさのあまり恵さんに抱きついて泣いちゃった。その後、それを牛山先生を通じてバラされた。
なんとも思ってない人を想って泣くほどの演技力なんてない。
「まりこ様の聞かれたことに答えるのなら本心半分、建前半分ですね。だから、はい！ 白黒つけられないのでこの話はおしまいです」
「Aのそういうところ、好きよ。たかみなさんや才加さんたちにも遠慮しないで、いつも楽しそうで羨ましく思っていましたの。私とも、いつかそうなれるくらい仲良くなってね？」
なりましょう。ではなく、なって。
「……え。あ、その。善処します」
硬すぎる。そう言われ、笑われた。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年11月16日 23時
