741# 恒星と惑星 ページ41
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私が見ているのは、もっと先。凪沙や智恵理と合流すること、秋葉星を奪還した後、そのどちらでもない。二つとも通過点だ。そうじゃない、私の居場所を取り戻した更に未来のことである。
最初から重石を置いていない。だから、人には私が冷静に見えるだろう。溜息をつきながら二人の仲裁に入った。いくら先生でも、愛ゆえのパンチだろうと。私の大好きな人に傷をつけるのは駄目です、と。
そうしたらオーバーに感謝される。みぃちゃんに抱きしめられてしまった。ショートしなかった私を褒めてほしい。彼女の匂いに包まれて、あんな近くで「ありがとう」を聞いてしまう。ここは天国か？ 錯覚したほどだ。ま、頭を怪我してる奴をマジで殴るわけも無いんだけどね。
「お二人に訊いた私が馬鹿でした。今言ったことはまだ誰にも言わないでください」
「……なんだろう。褒められてる感じもしないな」
「気の所為ですよ。……あ、こもりんさんとなかやんさんも秘密で」
「りょうかーい」
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交代の時間でツバサさんたちが戻るまで、色んな話をした。例えば……葵平先生は、現在の00では後輩の才加さんを一番推しているらしい。ゆいはんさんもたかみなさんも仲が良いけれど、現役のときから三人の中では才加さんがとびきり一緒にいる時間が長いとか。
まあ、二人とも元チームKだもんね。先生は卒業するとき、次のKキャプテンに才加さんを指名した。その後から、ずっと。三チーム制が二チーム制に変わるまでの約四年間。才加さんはKキャプテンをやり遂げた。
みぃちゃんたちは仮眠室、私は別の通路へ。起きてから一時間以上も経過している。そろそろ誰かは起きているかも。遠征ライブの前、75･77期研究生はあの辺によくいるっけ。…………。
「はぁ。やっぱり、明確な基準はなさそうだな」
歌が上手いとか、踊りが上手だとか。ある程度でも分かればいいのに。結局は魂の資質。そして、襲名キララに映ったら。どうしたらその域に達するのか、私から言わせれば曖昧がすぎる。数学のように正解があるわけじゃない。
別に勉強は嫌いではない。テキストなども読めば理解が出来た。試験や模試で点数が出て、偏差値が導き出される。襲名もそうだったら良かったのに。
「今」を変えるために00に入った。好きなものを好きと叫び、追いかけた。愛がもらえる意味でも……00しかないのに。
「私らしくない」
全部、凪沙のせいだ。
貴方がひときわ強く輝く度に不安になる。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年11月16日 23時
