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気持ちはあっても現状動けない。ツバサさんたちが今後のことを考えてくれているのに、ただそれを待つだけでいいのだろうか。何か出来ることは……。みんなの中にはそういうことを浮かべる人もいたかもしれない。
私としては、良いに決まっている一択。来るときに備えて、私たちが今すべきは体を休ませること。深夜に起こされたきり、一睡もしてない。心がぐちゃぐちゃなときは寝た方がいい。睡眠はストレスを感じて分泌されるホルモンの量を調整してくれる。それで苛苛などが軽減されるのだ。
……ま！ 私は日中そんなに眠れないけどな！ 寝付きも悪いし。徹夜でもなかったら今は一時間が限界だ。経口食品とはいえ、食事をした面々。楚方がくわぁと大きな欠伸を零した。しょぼしょぼの眼を擦る。
欠伸は移ると聞く。一人がすれば傍に居た友歌に鈴子、彼方さんも順に口を開けた。一回寝よう。凪沙と智恵理のことも、秋葉星の奪還も。それら作戦が決定せずに待機である今、三大欲求には勝てない。私も瞼を閉じるだけでも、とみんなと一緒に仮眠室に向かった。
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どれくらい時間が経ったのか。
目をぱちり。あれっ？
「あっさり寝れた。珍しいこともあるもんだ」
意外とすぐに意識を手放したように思う。みぃちゃんと息抜きしたことで肩の力も抜けたし、言いたいことも口にできたからだろうか。
時刻を確認すれば二時間も経っていない……が、記録更新だ。以前の私からしたら進歩である。絶対眠れないと思ったから。蜂の巣状の無重力区画を出てから伸びをした。退室前にこそり見たけれど、私たち研究生がここに来たときよりシャッターが降りていた。
それは、更に後から誰か来たということ。襲メン？ 考えることは同じである。私以外はまだ夢の中……か。急襲は公演の前だった。携帯は持ち込めても、さすがに睡眠導入剤は持ち込めない。理由がないしね。手持ちにあればもう少し眠れたが、ないものねだりは無意味。
「誰か起きてないかなぁ」
艦内はとても静か。仮眠室は結構埋まってた。いないかもしれない。
やることが無いと携帯に手を伸ばしてしまう。最後に見たバッテリーは50%をきっていた。無駄遣いできない。私から、何も伝えられないのに。全部分かるのに電源を入れてしまった。
未読のメッセージがある。また亜杜から。
『あと少しだから』
『オレを信じて待ってろ』
何が、なんてどうでもよかった。
彼は私に嘘をついたことがないんだ。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年11月16日 23時
