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わずか三音だけど、重いワード。自分もそう思う。私が先を見通した上でそんな言葉を口にするから……。どういうことだ、彼方さんや楚方につっこまれる始末。……あ？
だから後で説明するってたった今言ったじゃん。伝えたところで、ここにいない他の人達にも……となれば二度手間になる。考えなくてもわかるだろ。片方は先輩だけど言わせてもらう。そしたら黙った。よし。
流血の可能性があるのに、呑気に説明する余裕なんぞ無い。周りが理解するのなんか後回しだ。今、優先すべきは織音たちの安全を確保すること。他にはない。
『A、冷静に』
「……たかみなさん。私は冷静です。ついでに丁寧で正確です。今回は無視してないし、正論だと思いますが」
『それでも』
「はぁい。……彼方さんと楚方。仲間のために動くのと、己が状況を把握するために話すこと。どっちが……なんて聞くまでも無いしこの時間も無駄だけど説明してほしい？」
「「…………」」
言い方。声はイヤモニを通して聞こえてきた。フライングゲットから数機のLASが出動し、彼女はその中のひとつに搭乗していた。先遣して同期たちを探しに行ってくれるのはみぃちゃん、あきちゃさんも。
さて、どうやら憤鬼星の地層の解析が終わったらしい。ツバサさんは結果を聞いて息を呑んだ。え、何？ 首を傾げる私に告げられたのは、この星には相当量のデュアリウムが埋没していること。それがどれほどすごいのかはピンと来ない。しかし鉱物を知る彼女曰く「とんでもない」。
『ねえ』
「葵平先生？」
『奇襲時の記録映像を見返した。フンギーって他の生物と違うんだね。興奮してたのに突然スイッチが切れたように静まるし。大きな爪と接触した一条と藍田もかすり傷さえない』
運が良かったのではない。普通、人間が言葉の通じない生物を怖がるように、向こうだって見慣れない私たちが怖い。だから警戒する。威嚇し、己を強く見せる。時には動きを止めるため傷つけようとする。それは自分を守るために。
……先遣隊からの報告はまだない。織音たちが心配だ。ツバサさんの指示で、フライングゲットの護衛と捜索の二手に分かれて行動することになる。護衛に残るのはゆいはんさんにぱるるさん、佐江さん、きたりえさんの四人。それに加えて葵平先生も。
後のメンバーは森の方へ。襲メンはセリーに乗り、研究生は一人ずつ同乗させてもらう。私は通信を繋いだまま、まゆゆさんのセリーに腰を下ろした。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年11月16日 23時
