ラピスラズリ⑮【0048】 (ページ30)

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ツバサさんたちは作戦に向けて話し合いを。みぃちゃんは一足先に操縦室へ戻るらしい。彼女だけは、かつて智恵理の父親に呼ばれて射手座星へ行ったことがある。果てにはゾディアック本社まで。

とにかく少しでも情報が欲しい。いないよりはマシだと葵平先生に通信で呼び出されていた。大事な話をするのに不在だったのは、艦長代理として残っていたかららしい。

私は皆さんのところを後にし、同期たちを探していた。途中で会ったあきちゃさんに尋ねたら、向こうで見かけたよと言われてここまで来た次第。みんなは、二人がいないと分かったときよりは落ち着いたようだが顔は揃って浮かない様子だった。

「あの智恵理が独断行動をしたんです。次から次へと大変なことが起こる、そう言うのも無理ないでしょう。実際私たちは秋葉星に背中を向けた。自分のことしか守れませんでした」

「…………」

「でも責めるのはおひとりでどうぞ。私は、自分が『なにも出来ない』なんて思いませんから」

刺さる視線には構わず。私もまた、窓から射手座星を見つめた。

違う意味で静まるが、沈黙を破ったのは意外な奴。

「いつものAだ」

「なんだそれ。変な真琴」

本当に。最近の真琴は変だ、前と違う。以前は周りの顔色をうかがって何も言えなかったのに。

目に見えるようになったのはベガスターの潜入任務を終えてから。真琴の「私なんか」を聞かなくなった。今だって、私に全くビビってない。

「変って……」

「一応褒め言葉だよ。前にチーム横山の前座したじゃん？公演の後、梅ちゃんさんも真琴のダンス褒めてたし。自信持って踊れるようになったからじゃない？」

「うええっ！本当っすか！？」

「大マジ。……自分の変化って、言われないと存外気づかないよね」

本人に言ったら喜びますよとも伝えたのに。真琴の成功体験にもなるしね。でもこの反応を見るに知らないっぽい。同じ屋根の下に住むとはいえ、あっちは遅くまで仕事だもんな。

また仲間とはいえ、遠慮までは取っ払えない。襲メンが団欒する場所で騒いでは迷惑だ。そんな心理が働くため、食堂やレッスン室以外で顔を合わせることはほぼ無い。入浴時間も分けられている。

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■補足
今はもうどうでもいいですが一応。作者は、フンギスターにはフンギーという憤慨すると鬼のような形相になる生物が棲むから「憤鬼星」と変換しました。ですが、きのこをイタリア訳すると『フンギ』らしいのです。