715# 経験値0 ページ15
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ツバサさんから連絡が入る。フライングゲット号の修復が済んだらしい。飛び立つための最終確認と私たちが帰還次第に、この星を後にすると。……フンギーたちとはここでお別れだ。
DESの反撃は不可能……とはいえ油断はできない。それでもすぐには踵を返せないメンバーが何人か。この場の誰よりも彼らを想った織音の目尻は濡れていた。私たちと一緒にみぃちゃんら先遣隊を追ってきたゆきりんさんたちが後続のメンバーたちと徐々に去る中、織音たちも別れの挨拶をする。
「一緒に歌ってくれて、ありがとう」
「フンギーさんたちのこと。忘れません」
「またね〜！」
声をかけて、モフフたちを撫でたり。同期たちがそういうことをしているのを歌が終わった位置から大して動かずに傍観。…………空気、読んだ方がいい？ たかみなさんと目が合ったときは嘘じゃない。でも、空気を気にしてる時点で私は避けたいって思ってるんだ。
しかし楚方は蚊帳の外の私を見つけてしまう。手を引っ張られるまま輪の中に。大人のフンギーが、あのときよりも近くに迫った。スキンシップを求める視線が後ろからも前からも感じる。
……あ、えと。もう無理かもしれない。おずおずと手を伸ばした。すると触れる前に子どものフンギーが飛び跳ね、私の手のひらを包み込む。『織音の言うとおりモフモフだね』なんて言う余裕はなかった。
真「……？ A？」
鈴「固まってますね……」
織「あ、もしかして動物ダメ？」
ダメ。マジで無理。そもそも人間以外の生き物に触れたことがほぼない。本当に小さい頃に遠足とか、それくらい。近所に飼ってる家もなかった。
だから分からないんだ。どういう力加減で触れていいの？ いやいや真面目に言ってるんだけど。「優しく」とか曖昧な表現じゃ不安がすごいから。
それに、もし触られたくない場所だったらあの鋭い牙で噛まれるかもしれない。周りの動物でそういう痛いことを想像してますます遠ざけてきた。つまり私は特に触れ合いをしないまま、この歳に至るというわけ。
「寿命が4年8ヶ月縮まった気がする……」
「細かっ」
「楚方はちゃんと謝っときな」
「るーりんごめんね？ そなた、苦手って知らなかったから……」
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□子ども時代の作者
冬。塾の帰り、引っ張られて振り返れば大型犬が。走ると追いかけてくるので走れない。家まで着いてきました。帰りが遅い私を心配して外にいた親に任せ、泣きながら帰宅。それが二回ありました
716# どこにもいない→←714（少し長いオリジナルストーリー↓）
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年11月16日 23時
