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さあ、最後のフレーズ。大事に歌おう。メンバーは右手の人差し指だけを立て、指差すように正面に突き出した。すると背後から強い輝きが。腕の外側が照らされて、結晶の近くにいた面々は振り返る間もなくそれに飲み込まれる。
……でも、怖いものじゃない。これは味方だ。00の防衛網をかわして再び向かってきたミサイル、だけではなく。ゾディアックの機体からも守ってくれた。みんなは何も見えなくなる。
だがAは思った。私はこの輝きを知っている、と。優子が消えたときと同じものを肌に感じていた。
「っ、何が起きているの」
「キララドライブのデュアリウムに、共鳴反応！」
「何ですって……！？」
フライングゲット号、そしてキララドライブの核とも言えるデュアリウムが光を帯びる。戦闘エリアの結晶と比較すれば小さく、欠片のようなものだけど。それでも時空を超える力がある代物だ。星間航法には欠かせない。
メンバーが輝かせたデュアリウムと、船のデュアリウムが共鳴しているという。溢れる光は艦長室まで及ぶ。その場にいる者は目を見開く。そこへ、ゆきりんから通信が。たかみな機を通じて映像が届いた。
「この輝き。何かの……」
ツバサたちは目を開く。発見したというデュアリウムの結晶は、想像をはるかに超える大きさだった。
それだけではない。周辺の岩壁が色を変えるほどに輝いている。あんなにもキララたちを引き寄せていて……。ツバサはハッとした。
「まさかっ、先聖センセイ…………！」
神殿で見ていた光景とリンクする。その名を口にすれば、巨大結晶が更に二つの煌めきを放った。
普段彼女たちが先聖センセイと呼ぶ存在は、デュアリウムの輝きを通じてコンタクトを取ろうとしたのか。それとも、存在自体が人ならざるキララのような……不思議な力を持っているのか。それは分からない……が。
『ゾディアック。無人攻撃編隊、全機撃退。森への再攻撃は、不可能と思われます！』
ひとまずは。たかみなによれば、ピンチは切り抜けた。デュアリウムの結晶も、フンギーたちも。自分たち00も。大切な場所とともに護ることができた。
脅威を退け、輝きも徐々に落ちつき始める。もう直視できるくらい。
フンギーから見れば同じ人間だった、でも。友歌が言ったとおりになる。危害を加えた奴らとは違う人間であると分かってくれたのだ。嬉しくて「やった〜」と飛び跳ねる織音にモフフは飛び込む。ぎゅうと抱きしめ合った。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年11月16日 23時
