ラピスラズリ⑮【0048】 (ページ2)

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702# 罪の上塗りページ2

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フライングゲットの修復において、仮眠以外はほぼ艦長室にこもるツバサさん。私たちが偵察などを終えて戻ってきたときも作業を続けていたのはみんなが知っている。

彼女がモフフの存在を知ったのはゆいはんさんがきっかけ。私が森に向かって視線を感じたことを報告し、交代で寝ずの番を設けてはどうかと提案した際。ツバサさんも、森の様子をモニター越しに見てみたと言う。そのときにモフフという小生物を目にした。

「物資の補給ができないと言ったでしょう。貴重な食料を分け与えるなんて、何を考えているの！？」

「「「…………」」」

だって、お腹を空かせていたから。経口食品が入った衣装のポケットをクンカクンカと嗅いで、取り出すと喜んでいたから。……そんなことを正直に言えるわけもなく。ツバサさんの言うことは正論だ。よく考えたらそうである。

モフフはこの星の生物。ここで生きているのなら食料なんて代わりにある。対して私たちはこの星のキノコには触れられそうにない。どんな害があるかわからないのだ。

「ひとつぐらい良いじゃん」。さっきの騒ぎで目を覚ましたらしい彼方さんと楚方、鈴子までがこちらに寄ってきた。楚方がこう言えば、ツバサさんは楚方を見やる。

「その油断が命取りとなる。なら貴方は、食料が無くなっても一切の文句は言わないのね？どれだけお腹が空いても我慢するってことね」

「…………」

DESに追われ、仲間の裏切りが発覚して……。それでも支配人として艦長として、ツバサさんは一番上からメンバーを守るために指示をしてきた。ずっと気を張りっぱなし。この件が些細なことだとしても、彼女が神経質になるのは当然だ。

00に入った時点で大人も子どももない。不合格という烙印を押されても密航してでも、オーディション受けに来た楚方。そのやる気を買ったツバサさん。幼い彼女にも一切の加減がない。11歳だから仕方ない、は通じない。

どんなときでも、仲間を思いやる心を持ち続けることができる。0048にとって何よりも大切なことだ。ツバサさんの叱咤も虚しく、モフフの母となった織音がこうなってしまうのは自然なことだった。

「それでも放っておけません！！」

「織音っ！」

ツバサさんの登場で、凪沙と友歌に止める力は既になかった。織音は簡単にその手を振り切る。駆け出す背中に友歌が叫ぶも止まらない。彼女は暗いキノコの森へ姿を消してしまう。

見えなくなっても、同期たちもそこを見つめていた。

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