645# 5代目峯岸みなみも呼ばれていた ページ45
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「5代目峯岸みなみなのに、センターノヴァだったのに！」
「彼方、落ち着いて……」
私もだ。とってもイライラした…………彼方さんの物言いに。みぃちゃんだから、センターノヴァだから。それが何だというの？
たしかに過去に00メンバーでありながら、ゾディアックと関係を持つなんて、とは思う。けれど……私たちは話をしにきたんだ。聞くために一歩を踏み出した。決して怒りをぶつけるために来たのではない。『センターノヴァならこうあるべき』は本人だけの想いだろう。
「彼方さん。貴方の勝手な理想でみぃちゃんをせめるのはやめてください。私たちはまだ何も聞いていない。知らずに叩くのはアンチと変わりません」
「「「…………」」」
「あれ……チャンるり、あたしに失望しないの？」
「？ はい全く。私は、何があってもみぃちゃんを信じているので」
上目遣いをしていた瞼が少し開いた気がした。一瞬だったから見間違いかもしれない。目が合っていたが彼女からそらされた。そして俯く。
両膝を抱えて項垂れてしまった。すると、そのままゆっくりと紡ぎ始める。こんな姿を晒しても愛してくれる素敵なファンがいるなんて、あたしは幸せ者だなぁ……と。更には。
「でも大丈夫。そもそもの話だからさ。あたし……本当に、本物のセンターノヴァだったのかな」
「「「え？」」」
「ふう…………分からないの。怖くなって、途中で逃げ出しちゃったから」
彼女はメガネをとる。一度目をつぶって、また開いた。ああ……カメラマンの美果子さんじゃない。この顔こそ「みぃちゃん」と呼ぶのに相応しい。あの頃の笑顔は無いけれど、私の推しメン・5代目峯岸みなみがそこにはいた。
逃げ出した……って？ 全員の心の中に落ちたことを、たかみなさんが代表して繰り返す。核心を聞く前に、そう言った理由から説明してくれるらしい。
いつもと同じ劇場公演だった。満員御礼で、スポットライトは一番前で真ん中に立つみぃちゃんを照らしていた。メンバーも、ファンも。あれが、彼女がステージに立つ最後の日になるなんて誰もが知らなかった。同期ですらだ。
「あたし自身が、その日に00を卒業するなんて思ってもいなかったんだよ。だから……咲和に千帆、しーちゃん。あたしの心にないものをみんなが知っているわけ、ない」
「言ってない…………そうじゃなくて。元々そんな予定は無かったってこと？ なのになんで……」
たかみなさんは深堀りをする。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年9月20日 10時
