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誰も、何も話さない。秋葉星のこと、ここにはいない00メンバーのこと……更には、みぃちゃんのこと。色んなことがいっぺんに起こりすぎだよ。気を落ち着けようと、何度目か分からないため息が出た。
俯く私の肩に手が置かれる。見れば、彼方さんがいつのまにか隣にいた。……彼女は、私が傷ついてるとか思ったんだろうか。もしそうだったら…………今すぐその手を離してほしい。その視線も、不快。彼方さんは私のことを分かっていない。
船内の揺れがやっとおさまった頃には、たかみなさんやまりこ様と合流していた。通路のモニターからツバサさんへ通信を図る。
「ともちんにこじはる、パパコックや……研究生たちは！？」
『ツバサはん。はーちゃんやみゃお、すーちゃん……うちんチームは六人が見当たりません』
『大丈夫。ゆいはんも安心して。ともちんたちと一緒に、全員……神殿に避難したはずよ』
神殿。その場所の存在を隠すのはもうやめたんだろうか。多くのメンバーは首を傾げた。ツバサさんが、劇場の更に地下にある立ち入り禁止区域がそうだと告げる。あそこには先聖センセイがおり、芸能を愛する心が無い者が通ろうとすればバリアが発動するとか。
こんな事態となり、やむなく解放。先聖センセイにもしものことがあれば00も秋葉星も終わってしまう。それよりはマシだ、それにどこよりも安全だ。そういう理由から神殿を避難場所として解放。住民の多くのほか、ともちんさんたちメンバーも。今はそこにいるはず、と。
よかった……死んでいなかった。恵さんも、生きてるらしい。胸のつっかえがひとつ取れる。彼方さんたちと安堵の息をついた。
『秋葉星の人たちは、大丈夫ですか？』
『DESの狙いは00……。私たちがいては、返って危険です』
捕獲対象である00が星から去れば、一般市民にはこれ以上手は出さないはず。たかみなさんが言う。そうだよね、もしあっても……藍花星のときのように投獄されるなどか。容赦なくミサイルを撃ち込むなんて野蛮なことはきっとしない。
モニターには通信先の映像も表示される。ゆいはんさんのところにはぱるるさん、才加さんのところには佐江さんにゆきりんさん、まゆゆさんが。
凪沙と智恵理は一緒にいるらしい。凪沙は座り込み、今も俯いている。彼女が最も気になるのは……優子さんのこと。強烈な光が、誰よりも頭にこびりついているみたい。
『優子さんは……』
それにはツバサさんもハッとし、口を閉ざす。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年9月20日 10時
