ラピスラズリ⑬【0048】 (ページ31)

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転がる石になれ。直訳すると「活発に動いている人は時代に取り残されることがない」という意味がある。劇場の方から聞こえてきたメロディと、優子さんからのライブ続行の知らせ。

……そうだよ。忘れるところだった。気持ちが負けてしまったら、本当に終わってしまう。私は自分の頬を両手でパンっと叩く。拭える雫も指ではらう。そして……近くにいたたかみなさんとゆきりんさん、ぱるるさん、真琴の四人と集まって肩を組んだ。セリーを隙間なく寄せた中心で右足をドン。

ここ、秋葉星は私たちにとって心の故郷(ふるさと)。この星で暮らす人々はかつて自由を勝ち取るために戦った。……劇場の光、苦しい戦場で唯一輝いている希望。0048が絶望してはいけない。不安という闇を拭え。光を途絶えさせない。それが、ファンにとっても大切な場所を護ることにもなる。

「……ころがるいしになれ」

「！」

ぼそり。サーベルをもう一本取り出す。優子さんのように二刀流にして立ち向かった。攻撃の直前に生まれる隙を狙って両断する。その敵機の後方には彼方機が見えていた。

真っ二つになったものは連携攻撃によって行動不能に。ナイスです。言葉では聞こえないからグッドサインを送る。私だけじゃなく、00は歌いながら果敢に戦う。

大きな鉄の塊に撃ち落とされても、今度は生身とサーベルで挑む。怖気づいて逃げるものはいない。止まるな、動き続けろ。歌声がまた誰かの背中を押す。繋いでいる。

新たな局面を迎えたのは1番のサビが終わったとき。背後から一際大きな爆発音が聞こえた。周りのメンバーも思わず振り返る。あまりの衝撃に、目を開いた。

「あぁっ！」

「わたしたちの劇場がっ、燃えてる……！」

「やめろぉーーー！！」

あそこにはともちんさん達と、恵さん達76期生が援護に向かったはず……。劇場に攻撃が命中し、新しい火がのぼる。先輩たちはどうなったの……？秋葉星の中心、輝きの根源。そこへ攻撃を集中させるDESを止める者がいない。

最初に向かったのは佐江さん達LAS部隊。次にたかみなさん、才加さん。私たち研究生もと思ったが目の前には他の戦闘機が立ちはだかり、進路を塞がれる。も〜邪魔！

でもこれは見方を変えれば良いのかもしれない。私たちが敵の目を引きつければ、たかみなさんたちへの奇襲を阻止できる。こちらは人手が減るけれど劇場への攻撃も増やさずに済む。私たちは、私たちにできることをするんだ。

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