ラピスラズリ⑬【0048】 (ページ29)

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みんなで歌った橋も、寝食をともにした寮も炎に包まれていて…………このまま全部奪われてしまうのか。そんなの嫌だ。泣き叫ぶ凪沙の後方から敵機が迫った。捕まえられそうになる直前にゆうこ機が駆けつけ、食い止める。

『凪沙ぁ！』

「優子さん！？」

機内で優子は歯を食いしばりながら言う。センターノヴァはどんな強風を受け止め、メンバー達を守る。DES機に力で推し勝って足蹴。すぐさま銃を構えて攻撃した。相手は落下していく。凪沙は優子に窮地を救われた。

優子なら、たとえセンターノヴァに必要なことではなくても助けに行っただろう。なにせ彼女は優子にとってライバル。あっちゃんの光を彷彿とさせるような輝きを放てる少女でもある。でも……もし『センターノヴァは、』という文言が聞こえていたら、裏があるのではと勘ぐってしまう者もいたかもしれない。

『凪沙、無事か！？ ……っ！』

「あっ……！優子さん……」

ゆうこ機が振り返って仲間の確認をしたところに、別の機体が攻撃。凪沙は思わず手を伸ばすが、身動きが取れずに無情にも真っ逆さまだ。ギアハンドルをガチャガチャしても、攻撃スイッチを押しても反応無し。通信機もノイズが入り、まともに機能しない。

守れないのか……？輝けないのか……！？ここが、ステージでは無いからなのか。キララは輝いてくれない。こんなに頑張っても、あの人のようにはなれない。優子の悔しそうな表情は、初めて泣いてしまうようにも見えた。

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その少し前。ツバサたちは、劇場の最上階にいた。そこにはフライングゲット号が待機している。操縦室の椅子には既にオペレーターたちが着く。ツバサは焦った様子でそこへ駆け込んだ。

「フライングゲットの発進準備は！」

「あと、およそ15分で！」

「5分でやらせて！」

「っ……、了解！」

艦長の席から戦況を確認する。LASは半分以上が落とされ、レーダーに反応しない。秋葉星は火の海と化している。誰もが疑わない。上手くいっている、はずだった。ツバサはセンターノヴァの謎に近づいていたかもしれない。

……しかし、総選挙の前日に智恵理が言っていたこと。あの票は自分の力ではない。アイガール食品のCMなど、ゾディアックが手を回したから。芸能を禁ずる彼らはなぜそんなことをしていたのか。直接の被害は無かったから放置……ではなく智恵理の証言をもとに調査すべきだったのだ。

その結果。理由のひとつが、これ。

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