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平和を壊す足音が聞こえた。
他の仕事でそれぞれの場所に散っていたチームゆいはん。収録や撮影の最中だというのにけたたましくサイレンが響いた。赤色灯がまわっている。
メンバーだけではなくその場の人間も思わず動きが止まる。状況を把握できないまま、次に聞こえたのは緊急時のアナウンス。
『緊急事態発生！ 秋葉星住民は、速やかにシェルターへ避難してください！』
「避難って？」
「何が起こったの？」
『ツバサです。現在、DESの大部隊がこちらに侵攻中！チームゆいはんはLASに搭乗、出動して！ スタッフや住民の皆さんはすぐに避難を！』
スピーカーからは続けてツバサの声が。ゆいはんたちはいの一番に走り出す。どういうことかと問いただしている暇はなさそうだ。00なら秋葉星と芸能を愛するこの星の人たちのために戦う。それだけがあれば良い。
しかし、この選択は相手の思う壷だった。センターノヴァ発生条件その1、秋葉星でのライブ。研究生にもツバサから連絡が行くがチームたかみなにはまだ知らせなかったのだ。キララはさらに輝きを増してゆく。センターノヴァ現象を煽るものであり、それを待つ者がいるとは思わずに。
DES軍の無人戦闘機が数体、秋葉星の領内へ侵入。地上は昔、戦火によって廃墟になっている。00も住民も他の惑星へ行く場合に光景を見るのみ。ここで生活する者はいない。地上と地下にはエレベーターを経由して行き来する。
いくつかの戦闘機からミサイルが発射される。外観は古い。総攻撃を行えば簡単にヒビが入った。秋葉星地下の、最も外側にあるのは天気を映すカプセルのような壁。そこに穴を開けて侵入するようだ。
加えて……センターノヴァ発生条件その2、天候不順のライブ。別働隊がいち早く気象コントロールシステムに侵入する。ちょちょいと操作すれば……昼間の秋葉星は黒い雲に覆われた。更には雷まで。人々はこれから起こることへの不安と警戒を隠せない。
「なっ……な、な。なにこれぇ〜！」
「気象コントロールシステムが、ハッキングされたのかもしれません」
「ええっ！？」
「ご、ゴロゴロ秋葉星……。こんなのそなたの秋葉星じゃないよぉ〜〜！」
雷の音に混じり、南東の方角から衝撃音。何かが爆発したみたいに火薬が混じった煙が噴き出した。そこから姿を現したのは……DESの無人戦闘機。
入口を作ってまずは五機。受け入れたくないが時が来てしまった。芸能絶対防衛圏の秋葉星で、戦闘が始まる……。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年9月20日 10時
