623 :♪ ページ23
▽
サビが終われば次はCメロ。その前に数秒の間奏がある。イヤモニに、何故か通信が入った。ツバサさんの声。『みんな聞いて！』と酷く焦っている。……たかみなさんたちには聞こえてないらしい。
何、トラブル？ ……だが、そんな可愛いものじゃなかった。その方がまだマシだったかもしれないと思うほど。
『DESの大部隊が、軌道上の防衛ラインを超えて侵攻中！ ゆいはんたちは出動したわ。貴方たちも続いて！』
え……何？ 言われたことをすぐに理解できない。けれど、胸が謎にざわめいた。只事じゃないのはわかった。とりあえず行こう。私たち研究生は揃ってステージに背を向ける。恵さんたちを先頭に、LASが待機している場所へと走った。
DES軍が防衛ラインを超えて……って。通常、秋葉星は無数のミサイル網及び運営内の戦闘班、そしてWOTAさんたちが護衛にあたっている。それが突破されたってことだ。芸能絶対防衛圏の秋葉星は独立した惑星。そんなところに侵攻、それはつまり……。
「戦争……？」
中学のときに授業で習った。人類は今でこそ銀河系の星々で生活をしているが、大昔は地球という太陽系の惑星で暮らしていたんだっけ。そこには生物も含んだ多種多様な生命体が存在していた。……人類が起こした世界大戦によって土地が再生不可能となり、今に至る。
LASに乗り込み、準備完了。ギアハンドルを握ったときにその単語がふと降ってきた。……それでも。なんでそんな事態になるんだという文句も今は飲み飲む。
災厄でも最悪でも行かなければいけない。AKB0048は窮地だとしても諦めずに武器を手に取り、ステージやファン、市民を守るために戦う存在だから。
▼？？
秋葉星は、その地中深くに大量のデュアリウムを埋蔵している。更にはデュアリウムを活性化させ、キララを強烈に輝かせる太陽の女神。……センターノヴァ。
13代目あっちゃんに、5代目みぃちゃん。直近では6代目ゆいはん、7代目ゆうこ。智恵理が0048の研究生になってから数ヶ月。わたしは彼女たちのライブ映像を資料として取り寄せられるだけ集めた。金の心配は無い。ゾディアックグループに合わせてD.G.T.OやDES軍から、いくらでも湧いてくるのだから。
「これから起きる奇跡にスキップしたいくらい、神様に感謝する」
モニターの映像を切り替える。これは、今この時0048劇場にて行われているライブだ。00は何も知らない。運営の中にはスパイ、そして裁判以降も監視を続けていることを。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年9月20日 10時
