622# 嵐が接近中 :♪ヘビロテ ページ22
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本日の劇場公演は二部制だ。第一部はチームたかみなによる公演、第二部がチーム研究生 with8代目篠田麻里子の公演である。overture後の一曲目はヘビーローテーション。私たち77期生がセレクションを合格して初めて訪れた劇場で、最初に聞いた曲もそうだった。
あのときと違うのはメンバーにまりこ様が増えたこと。そして、この後は私たちがステージに立って公演をすること。
「うわあ〜。優子さん、輝いてる！」
「本当になれるかもしれないね。優子さんなら、センターノヴァに！」
客席には見えないギリギリ。凪沙たち四人は裏方でも最前の場所でステージを観ていた。優子さんの音符型のキララ、その子以外にも沢山のキララたち。優子さんの頭上に集まって照らしている。まだAメロの冒頭、開始してまもないのに。爆発したかのようにキララが輝きを発する。
言い方は悪いかもしれないが、操っているみたい。だが一斉にキララが集まり、最も輝かせることができるメンバー……それを00ではセンターノヴァと呼んできたのなら。私の表現の仕方はあながち間違いでもないでしょ。
数日前、タービンに向かって歌っていた優子さん。私たちは改めて優子さんの本気を目にした。現状で良しとせずに上を目指す心意気や姿勢、見とれてしまうような貪欲さ。センターノヴァになるために出来ることは全てやる……というような。
ずっと一生懸命。こんな彼女を好きにならない人がいるだろうか。織音の言うとおり本当になれるかもしれない。……けれど。友歌が低い声色で言いたくなるのもわかる。
「……でも。センターノヴァになったら、」
「総選挙のとき『消えない』って言ってたでしょ？ 大丈夫よ、優子さんなら」
智恵理は真正面から優子さんを信じているんだ……。彼女の笑顔にはなんの濁りもない。私の、みぃちゃんに対する好きと同じみたいに？ 消えない、か。口にはしないが理屈を感情論でどうにかできるとは自分には思えない。
そもそも。最初から気になっていた。かつては彼方さんたちが言っていたこと。どうして運営は危険なセンターノヴァ制度を復活させたんだろう。安全性は確認できたのか？ 説明をすべきだ。
いた方が『楽しい』『盛り上がる』、または芸能を求める声が多いから。そんな理由で復活させたなら私は反対。00のことは大好き。……けれどそういう不透明に対しては。私は智恵理みたいには信用できない。
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作者名：東雲れーた | 作成日時：2023年9月20日 10時
